ヤクルト猛アタック!FA藤本に“レギュラー手形”

[ 2009年11月21日 06:00 ]

ヤクルトと交渉を行う藤本(左)

 ヤクルトが20日、阪神からFA宣言した藤本敦士内野手(32)と大阪市内のホテルで初交渉を行った。球団では2年総額1億円に加えて、背番号10の好条件を提示。さらに、倉島球団専務が正遊撃手の“手形”も確約するなど高い評価を伝えた。球団側、藤本の双方とも交渉には好感触を得ており、早ければ今月中にも「ヤクルト・藤本」が誕生することになる。

 約50分間の初交渉を終えた倉島球団専務は、思わず笑顔を浮かべた。渡辺編成部次長、伊東編成部課長の3人が同席しての猛アタック。倉島専務は「非常にいい感触でした。遊撃手として内野のリーダーシップをとり、ぜひ守っていただきたい」と正遊撃手の座も約束したことを明かした。
 球団側では今季まで城石がつけていた背番号10も用意。さらに今季年俸3600万円だった藤本に対して、出来高込みで2年総額1億円の好条件を提示するなど期待度の高さを示した。これには藤本も「自分自身としても、ショートに戻れると若返るかもしれない」として移籍に前向きな姿勢を見せた。
 昨年の相川に続く、球団2人目のFA補強に動くヤクルトにとって遊撃手は緊急補強ポイントだ。9月に川島慶が右ひじじん帯損傷で離脱。来季開幕を万全で迎えられるかは微妙な状況となっている。一方、阪神で03年リーグ優勝に遊撃手として貢献した藤本も、鳥谷にポジションを譲って二塁へ回ったが出場機会は激減。昨季58試合、今季は47試合と入団以来の最少出場試合数を2年連続で更新した。出場機会を求めてFA宣言に踏み切ったとあり、双方の思惑は一致する。
 倉島球団専務は「定評ある守備力、そしてしぶとい打撃にも期待している。うちに骨を埋めるつもりでやってほしい」と最大級のラブコールを送った。今後、阪神と再交渉に臨んだうえで、決断を下す藤本が“ツバメ軍団”の一員となる日はすぐそこだ。

 ◆ヤクルトとFA FAで選手を獲得したのは昨年の相川(当時横浜)が初めてだった。一方でFAで移籍した選手は過去、94年・広沢→巨人、97年・吉井→メッツ、00年・川崎→中日、03年・高津→ホワイトソックス、04年・稲葉→日本ハム、07年・石井一→西武と6人いる。

続きを表示

2009年11月21日のニュース