ノムさんジーンときた 山崎武、5年分の思い乗せた一発

[ 2009年10月17日 18:04 ]

 【楽天4-1ソフトバンク】「ちょっと詰まったけど、気持ちが乗り移ってくれた」。楽天の勝利を大きく引き寄せたのは、1―0の五回に飛び出した4番・山崎武の一撃。創設当初の弱体ぶりを知る主砲の、5年分の思いを乗せた3ランが左翼席へ飛び込んだ。

 3番の鉄平が敬遠気味に歩かされ、2死一、三塁で迎えた打席。1、2打席目で打ち取られた速球に狙いを定めていた。本塁打の1球前にスライダーを空振りしたが、動じない。「バッテリーは、僕がスライダーに食い付くことが分かったと思う。ストライクゾーンに来るのは真っすぐ」。冷静な読みで、直後の速球をとらえた。
 第1戦に続く本塁打。大舞台で本領を発揮した主砲に、野村監督は「決めてくれた。じーんときたよ。2死からの打点で勢いを付けるのが4番だ」と賛辞を惜しまなかった。
 レギュラーシーズン終盤の勢いそのままに、2試合とも完勝。“鎧袖(がしゅう)の一触”でソフトバンクをけ散らした。第2ステージで敗れた場合には、この日が本拠地での今季最後の試合となるが、球場にそんな雰囲気はない。お立ち台に上った山崎武は、総立ちのファンを前に宣言した。「仙台で日本シリーズを戦いたい。少し待ってください。すぐに帰ってきますから」

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2009年10月17日のニュース