松井秀 サヨナラ勝ち呼ぶ貴重な四球

[ 2009年8月30日 06:00 ]

<ヤンキース・ホワイトソックス>延長10回、サヨナラ本塁打を放ちナインの待つ本塁へ生還するカノ。松井秀喜も笑顔で出迎え

 【ヤンキース5-2ホワイトソックス】ヤンキースの松井秀喜外野手(35)は28日(日本時間29日)、ホワイトソックス戦で“完全男”バーリーから右前打を放った。4打数1安打も延長10回には2死無走者から四球を選んで、カノのサヨナラ3ランを呼び込むなど仕事を果たした。チームは今季12度目のサヨナラ勝ちで、98年以来となる両リーグ最速の80勝に到達。地区優勝マジックも1つ減らして29とし、3年ぶりの地区優勝へまた一歩近づいた。

【ヤンキーススタジャン
試合結果


 松井の目がサヨナラ勝ちを呼び込んだ。ヤンキースタジアムのファンが、次のイニング突入を覚悟した延長10回2死走者なし。松井は左腕ウィリアムズからストレートの四球を選んでつなぐと続くスウィシャーも四球。2死一、二塁となってカノが自身初のサヨナラ3ランをぶち込んだ。

 4番・ロドリゲスが中堅への大飛球。サヨナラ弾と思われた直後の打席とあって「オレの打席はないと思ったら回ってきた。ストレートの四球?すべて完全なボールだったけどね」とおどけながら、笑顔で試合を振り返った。

 8月は8本塁打24打点。松井がチームの快進撃を支えている。相手先発は7月に完全試合を達成し、松井が通算10打数2安打と苦手にしていた左腕バーリー。それでもジラルディ監督は今季最長となる9試合連続のスタメンで起用した。初回2死一塁では初球の83マイル(約134キロ)カットボールを右前打して「甘い球でしたから。バーリーはコントロールに苦しんでいるように見えた」と余裕の表情。指揮官の信頼に応えた。5回1死一、二塁では左翼フェンス際への大飛球。「感じは良かったけど、ちょっと風に戻されました」と悔やんだが、状態の良さを見せつけた。腫れが出た左ひざの水を抜く治療を受け、18日に復帰して以来続く先発出場には「やっぱり出ている方がいいよね」と明るい表情。首脳陣が出場の可否について確認してこなくなったほど、患部の状態は問題なくなっている。

 チームは世界一に輝いた98年以来となる両リーグ最速での80勝に到達。地区優勝へ着実にマジックを減らす内容に松井も「きょうみたいな試合を最終的に取れたし、状態はいい」と手応えを口にする。シーズンは残り34試合。地区、リーグ優勝そしてその先にある世界一を見据えるチームの中心に、松井がいる。

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2009年8月30日のニュース