特待制度を事実上容認へ…学生野球憲章の改正案発表

[ 2009年8月30日 23:02 ]

 日本学生野球憲章検討委員会は30日、日本高野連などの学生野球団体が定める基準に基づいた上で、入学費と授業料に限って減免を認める条文を盛り込んだ第1次改正案を公表し、特待生制度が事実上認められることになった。

 一昨年に高校野球界が特待生問題で揺れた背景を受け、日本学生野球協会が設置した同委員会は昨年5月から憲章の見直しを続けてきた。記者会見した石井紫郎委員長(元東大法学部長)は「大きく改定した。現実に即した憲章とした」と説明した。
 改正案では、同協会が憲章違反行為に対して科した制裁への不服申し立てを認める条文も明記。日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に制裁決定の取り消しを求めて申し立てを行うことが可能となった。プロ、アマの交流についても規制を緩和し、同協会の承認が得られれば、高校や大学のチームがプロと試合をすることが可能になった。
 同委員会は今後、高校と大学側の意見を集約し、今年11月をめどに第2次改正案をまとめる。新憲章は来年4月1日に施行される予定。

 ◆日本学生野球憲章 高校、大学の野球活動に関する基本理念。1946年に学生野球基準要項として制定され、50年の改正で名称が変わった。現行の第13条は、選手または部員であることを理由に学費、生活費その他の金品を受け取ることができない、と定めている。憲章に反する行為は、日本学生野球協会の審査室に諮られ、謹慎や対外試合禁止などの処分が科される。

 ▼前日本高野連参事の田名部和裕委員の話 (戦前に定められ、現行の憲章の下地となった)野球統制令からの脱皮に力を入れた。各高校の実情を加味して定めてもらった。(特待生制度の最終基準は)高野連の預かりとなっている。各所の意見を吸い上げて決めていきたい。

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2009年8月30日のニュース