プロも評価!大竹 昨年覇者に無失点快投

[ 2009年8月30日 06:00 ]

<新日本石油ENEOS・NTT東日本>8回途中まで投げ、新日本石油ENEOS打線を0点に抑える好投をみせたNTT東日本・大竹飛鳥

 第80回都市対抗野球大会第9日は29日、東京ドームで3回戦3試合が行われベスト8が出そろった。第1試合ではNTT東日本の先発・大竹飛鳥投手(24)が8回途中まで無失点に抑える好投を見せ、昨年優勝の新日本石油ENEOSを2―0で破った。第2試合では東芝が、第3試合ではホンダが勝利し、30日の準々決勝進出を決めた。

【日程と結果


 【NTT東日本2-0新日本石油ENEOS】臆することなく立ち向かった。昨年の覇者・新日本石油ENEOSを相手に7回2/3を3安打無失点。チームを4年ぶりの8強に導いたのは、NTT東日本の2年目右腕・大竹だった。

 「後ろにいい投手がいるので初回から全力でいきました。出来過ぎぐらいの投球です」。強気に内角を突いた投球とは対照的に、小声でうつむきながら話した。

 初回の投球で波に乗った。簡単に2死を取った後、3番・榊原に10球粘られた。「絶対に先に点をやらない。ここで歩かせちゃいけない」。11球目のフォークで空振りの三振を奪うと、2回以降も三塁を踏ませない。この日のMAXは144キロ。だがスライダーとフォークを低めに配し、飛球アウトは23アウト中4つだけ。あとは三振と内野ゴロでアウトを重ねた。

 愛知時代は遊撃手。関東学院大のセレクションに参加した際「投手の枠が空いている」と聞き、投手で受けたところ合格したという変わり種だ。大学時代は目立った成績を残せなかったが、今年、安田投手コーチが就任してから急成長。左肩の開きを抑えた学生時代のフォームに戻してから、きっかけをつかんだ。ロッテの山下スカウトは「面白い。まず度胸がいいし、左打者にフォークで空振りが取れるところがいい」と評価した。

 これまでは無名だったが「そりゃ、行けるなら行きたいですよ」と淡いプロ志望もある。初の大舞台での1勝が、今後の大竹の人生を変える1勝となるかもしれない。

 ◆大竹 飛鳥(おおたけ・あすか)1985年(昭60)7月10日、愛知県生まれの24歳。愛知時代は遊撃手で高3夏はベスト8で敗退。関東学院大では4年時に大学選手権ベスト16が最高成績だった。リーグ戦通算成績は15勝3敗。NTT東日本では今季から先発の一角を任されるようになった。1メートル73、79キロ。右投げ右打ち。

 <新日本石油ENEOS 打線の不振響く>昨年の覇者が3回戦で姿を消した。投手陣は2失点と踏ん張ったが、打線がわずか3安打に封じられた。大久保監督は「大竹君を打ちあぐね防戦一方になってしまった。久しぶりに東京ドームで負ける悔しさを味わったので、鍛え直したい」と残念そうに話した。昨年はエース田沢(現レッドソックス)を擁し、13年ぶりの優勝。今年は田沢が抜けた穴を投手陣が埋められるかが焦点だったが、終わってみれば打線の不振が敗因となった。4番の池辺は「あとは打線がどこまでやれるか。来年また戻ってきたい」と雪辱を期した。

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2009年8月30日のニュース