ロッテ退団騒動決着!ボビー「去るのが最善」

[ 2009年7月27日 06:00 ]

 ボビー白旗!昨年12月、球団側から今季限りでの退団を通告されていたロッテのボビー・バレンタイン監督(59)が26日、退団を受け入れたことを発表した。決断の理由、ファンに対するメッセージを記した文書を自ら配布。この日の練習中には選手、コーチ陣に今季限りで退団を決めたことを通達した。昨年末から球場内外で繰り返されてきた、球団VSバレンタイン監督の“泥仕合”に自ら幕を引いた。

 練習終了間際の午後4時50分。バレンタイン監督は「皆さんに読んでほしい」と1枚の文書を報道陣に配布した。A4の用紙は「千葉ロッテマリーンズ・ファミリーの皆さんへ」で始まる文章。今月19日に重光昭夫オーナー代行と会談したことを明かした上で「今シーズン限りで私が千葉ロッテマリーンズを去ることが、重光家、そして千葉ロッテマリーンズにとって最善の道であると実感し、その決断を皆さんにできるだけ早くお伝えするべきだ、と思うに至りました」と記されていた。チームを去ることが最善――。指揮官がとうとう“白旗”を揚げた。
 蜜月から確執へ。今季で通算7年目を迎えるバレンタイン政権は「暗闘」の歴史だった。フロントとの対立が一気に表面化したのが昨年12月。05年にチームを日本一に導くなど大功労者のバレンタイン監督を「大改革」を理由に、球団がシーズン前という異例の時期に今季限りの退団を通告した。実際は5億円といわれる高額年俸、フロントの意向を無視する補強策などが原因だった。
 今年に入って球団ではバレンタイン監督に近いとされる球団職員が、要職から外されて退職者が相次いだ。すると4月には球団幹部が出席したミーティングの「議事録」が流出するなど、球団VSボビー派の確執は尋常ではない事態を引き起こしていた。万年Bクラスのチームを日本一へ導いた手腕だけでなく、ファンサービスにも力を入れてきたバレンタイン監督はロッテを人気球団に押し上げた。ファンの圧倒的支持を集め、今回の騒動でも続投を求める署名活動は10万人を超えたが、球団は方針を覆さなかった。続投のわずかな可能性を探ってきた指揮官も、これ以上無理と判断。今回の白旗につながったとみられる。
 この日の練習前にバレンタイン監督自ら選手、コーチ陣に退団を決意したことを通達した。グラウンド外のドタバタ劇で、野球に集中できる環境にないチームは前半戦を終えて借金14の5位と低迷。今回の決意表明も後半戦の起爆剤となるかは微妙な状況だ。残り59試合。指揮官の退団が決まっている状況でどこまで選手がモチベーションを高めることができるか。
 高い手腕の一方で、次々と浮かび上がった球団との数々の対立。“劇薬”は即効性もあったが、副作用は想像以上に強かった。フロントと現場の確執、そしてチームの低迷。何より被害を被ったのは他でもないファンだった。

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2009年7月27日のニュース