八千代東“戦国千葉”公立の星だ!初切符

[ 2009年7月27日 06:00 ]

 第91回全国高校野球選手権大会(8月8日開幕、甲子園)の地方大会は26日、決勝4大会を含む22大会57試合が行われた。千葉大会決勝では八千代東が拓大紅陵を5―4で振り切り、春夏を通じて初の出場。今夏初の公立の代表校となった。また西東京大会では都小平、都日野がそれぞれ勝ち、4年ぶりに都立校2校がベスト4に残った。27日は31大会78試合が行われる。

 【千葉決勝・八千代東5―4拓大紅陵】優勝の瞬間、喜び方が分からず、八千代東ナインは普段通りに整列した。ノーシードから初めて進出した決勝でまたも1点差勝ちで、春夏通じて初の甲子園切符を手にした。初めてづくしの夏。校歌を歌い終えてようやく喜びを爆発させた。片岡監督でさえ「ああ甲子園だなと。実感がわかない。決勝というより、試合に勝ったんだという感じ」と半信半疑の表情で話した。
 8試合で1点差勝利が6試合、延長戦が3試合。この試合も初回に4番・上条の左前適時打などで4点を先制したが、追いつかれた。だが、“ミラクル進撃”は決勝でも止まらなかった。9回1死二塁から準決勝で5安打の高橋が前日に続き、右前に決勝打を放った。今夏7戦目の登板となったエース・村上は6回以降を無失点と力投。9回に死球を受けたが、痛みをこらえて投げ抜いた。大会通算74回1/3を投げ、防御率1・45と抜群の安定感。「僕らは負けたらダメとかいうことはない。いつ負けてもおかしくかった」と笑った。そんな無欲の精神が32度の炎天下でも、1万3000人の大観衆の前でも動じさせなかった。
 決勝の先発メンバーのうち、7人が1年秋からレギュラー。村上も「ずっと一緒にやってきたから安心して投げられる」と信頼を置き練習後もそろって帰宅する。77年の創部以来、OBも悲願達成へサポートし続けた。整骨院を営むOBは村上ら選手の体のケアを担当し、歴代主将たちは大会中の練習に付き添った。「勝負どころは技術より気持ち」。明大出身の片岡監督は故島岡吉郎監督の教えをナインに伝え続けた。
 千葉大会でノーシードの公立校が甲子園に出場するのは、01年の習志野以来8年ぶり。青石主将は「夏休みが短くなっちゃった。ちょっと残念」とうれしい悲鳴を上げた。耐えに耐えた“ヤチヒガ”が、戦国千葉の頂点に立った。

 ◆八千代東(千葉)1977年創立の県立高校。「仰高」が校訓。

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2009年7月27日のニュース