成人マー君 WBCで世界を“ひねる”

[ 2009年1月13日 06:00 ]

チームスローガンを使い「氣持ち」と記す楽天・田中将大

 世界をひねったる!楽天・田中将大投手(20)が12日、地元の兵庫・伊丹市の成人式に出席。3月に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も控える節目の年への決意を新たにした。滑りやすいとされるWBC使用球の対策も着々。制球重視を目的にチェンジアップ、フォークボールなど抜くボールではなく、スライダー、カットボールなど「ひねる」球種で世界と勝負する。

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 鮮やかな振り袖や羽織はかま姿の幼なじみたちに交じっても存在感は格別だった。シックなシルバーを基調にしたネクタイとストライプスーツ姿。式典では「楽天の田中投手も新成人として出席しています」と紹介されると、会場から歓声が上がる。スポットライトを浴びた地元の英雄は、立ち上がって一礼した。
 大人びた雰囲気の田中は、落ち着いた口調で20歳の誓いを立てた。「僕は性格的に何年も先のことは考えられない。1日1日、1年1年が勝負。まず今年1年、頑張りたい。08年はチーム、個人ともによくなかった。09年はWBCもあるし素晴らしい年にしたい」。
 目の前の目標を着実に達成するポリシーは変わらない。20歳のシーズン、最初に訪れる大舞台への対策は、すでに頭にあった。年末年始の地元でのトレーニングからWBC使用球を使い始めた。
 「変化球は変化しやすいけど、ボールが滑るからフォークとか抜くボールは(制球が)難しい。今の感触だとひねる方がいいのかなと思っている」。田中の代名詞と言えば、130キロを超える高速スライダーだが、昨季はカウント球として使い、決め球にはフォークを選択することが多かった。しかし、失投が許されない国際舞台だけに「抜き球」よりもスライダー、カーブ、カットボールなど「ひねる」球種を主体にする考え。2月の沖縄・久米島キャンプのブルペンでも「(WBC使用球を)使っていく」と話し、変化の具合を“自分のもの”にしていく。
 誓いの色紙には、前日決まったばかりのチームスローガンで野村監督が採用した「氣」をあえて使い「氣持ち」と記した。自身の将来に「幸せな家庭を持っていればいいけど、こればっかりはどうにもならない…」と苦笑いしたが、目の前のハードルはしっかり見えている。

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2009年1月13日のニュース