ここぞの岸 危機救った!8回10K1失点

[ 2008年11月15日 06:00 ]

<西武・統一>統一打線相手に力投する岸孝之投手

 【アジアシリーズ・西武2―1統一】日本シリーズのMVP右腕がアジアシリーズでも輝きを放った。西武の岸孝之投手(23)が14日、統一(台湾)戦に先発し、8回を2安打1失点。疲労のため球が走らない中で10三振を奪い、負ければ1次リーグ敗退のピンチを救った。第1試合はSK(韓国)が天津(中国)に7回コールドゲームで大勝し、2連勝。15日は天津―西武、統一―SKが行われ、上位2チームが決勝に進出する。

【西武優勝パネル


 岸は会見を終えると、報道陣におんぶしてもらって、一塁ロッカー室へと向かった。中2日で計238球を投げ抜いた日本シリーズと合わせ、3試合で計358球。日本シリーズMVP右腕もさすがに疲れ切っていた。
 「疲れは残っていましたね。最後は腰、右腕、足…。もう全身にきてました」
 8日の日本シリーズ第6戦と同じく、負ければ予選敗退となる一戦で、またしても鉄腕がチームを救った。「真っすぐが全然走らなかった」と120球中、140キロを超えたのはわずか7球。それでも得意のカーブとチェンジアップで幻惑した。4回1死三塁、ブリトーの中犠飛で先制を許すも、被安打はこの回の2二塁打だけで、終わってみれば8回10奪三振1失点。貫禄の投球にも「ギン(銀仁朗)が直球が走っていないのを見抜いてうまくリードしてくれた」と年下の女房を称えるのを忘れなかった。
 日本シリーズで一躍脚光を浴び、WBCの日本代表候補にも選出されたイケメン23歳。日本シリーズ第6戦。中2日で中継ぎ登板し、逆王手をかけた試合後、宮城・仙台市にある実家の電話は一晩中鳴りやまなかったという。茶髪・ガングロの“チャラ尾”こと平尾からは「お前は色が白すぎるから日サロ(日焼けサロン)に行け」と言われるほどの色白。女性に大人気の「美白王子」の勢いはとどまるところを知らない。
 渡辺監督も「(日本シリーズから)中5日だったけど、いけるところまでいった」と信頼を寄せる右腕。16日の決勝戦登板については「すみません、無理です」と話して爆笑を誘った。1年間の集大成を終え、あとはチームを必死に応援する。

 <統一 台湾ナンバー腕・潘、敗戦も存在感>統一は先取点を奪いながら先発・潘威倫(パン・ウェイルン)が4回に逆転を許した。それでも「きょうは外角に力を入れた」と得意のシュートを封印し、中村を2三振に仕留めるなど6回2失点で「台湾No・1投手」の威厳は示した。13日天津戦で負傷した陳連宏(チェン・リェンホォン)と劉芙豪(リュウ・フゥハオ)を欠いた打線は2安打と沈黙。呂文生(リュ・ウェンション)監督は「打順編成でミスもあった」と悔しさをにじませた。

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2008年11月15日のニュース