選手会長でも…ニ岡を“聖域なき放出”

[ 2008年11月15日 06:00 ]

会見を終え、笑顔なく席を立つ二岡智宏内野手(左)と林昌範投手

 巨人の二岡智宏内野手(32)と林昌範投手(25)、日本ハムのマイケル中村投手(32)と工藤隆人外野手(27)の2対2の交換トレードが14日、両球団から発表された。巨人は今季、タレント・山本モナ(32)との不倫騒動を起こした二岡の放出を決断。高卒2年目で遊撃に定着した坂本勇人内野手(19)の成長や世代交代を進める方針などが絡み合い、異例となる選手会長のトレードにつながった。

【巨人グッズ
日本ハムグッズ


 最後まで表情は硬かった。巨人では“イケメン”の代表格でもあった二岡が、新天地で再出発。都内のホテルで林、日本ハムの山田GMと臨んだ移籍会見では「チャンスを頂いたのには感謝の気持ちでいっぱい。日本ハムでは実績がないのでゼロからのスタート。頑張りたい」と語った。
 選手会長にも就任した今季は3月28日の開幕ヤクルト戦(神宮)で右ふくらはぎを肉離れ。地道なリハビリを続けたが、復帰間近の7月上旬に山本モナとの不倫騒動が発覚した。19歳の坂本が遊撃に定着していたため、同月下旬には三塁で1軍に復帰。しかし打撃は本調子にはほど遠く、9月上旬に右足首を捻挫して再び2軍落ちとなった。
 98年ドラフト2位(逆指名)で入団してから10年。故障、不倫騒動、坂本の成長など、さまざまな要素が絡み合っての巨人放出に「巨人では(遊撃への)こだわりもあったけど、どこがいいと言える立場じゃない。やれと言われたところをやる」と悲壮感を漂わせた。
 06年オフの仁志(95年・逆指名ドラフト2位)以来となる生え抜き選手のトレード放出。背景には急速に成長する若手の存在が影響している。球団は数年前から2軍に「強化指定選手」を設定して経験を積ませる独自の育成システムを確立。原監督の若手の積極起用もあり、坂本を筆頭に中継ぎで育成選手出身の山口、3年目右腕の越智が台頭した。今季途中には01年・ドラフト1位の真田を横浜に放出。今後もドラフト上位組や実績ある主力選手が、トレード要員となる可能性もある。
 「両球団、2人(二岡、林)にも前進していくための新たな挑戦」と清武球団代表。シーズン同様、育成も見据えたバランスよい補強で、3連覇を狙える陣容を固める。

続きを表示

2008年11月15日のニュース