FA行使決断!三浦番長 阪神移籍有力

[ 2008年11月15日 06:00 ]

先月20日のセCS第1Sの阪神・中日3回戦。阪神監督就任前の真弓明信氏(上)は解説席で、同じく解説で来ていた三浦大輔に興味津々

 横浜の三浦大輔投手(34)が14日、昨年取得したフリーエージェント(FA)権を行使することを明らかにした。15日にも行われる村上忠則チーム運営部門統括(59)との会談で意思を伝える。他球団への移籍は濃厚で、宣言すれば阪神などが獲得に名乗りを上げるのは確実。実績ある先発投手だけに数球団による争奪戦に発展する可能性もあり、注目が集まる。

【三浦大輔プロフィル


 悩み抜いた末の決断だった。三浦は「手を挙げてみようと思う。他球団から評価を聞いてみたいし(FA権行使で)自分の視野が広がると思った」と言った。15日にも球団に権利行使を伝え、週明け17日にもFA権の手続きを行う。
 三浦は横浜で17年間。エースとしてチームを支え続けた。02年オフに1度目のFA権を取得したが「このチームで優勝を味わいたい」と日本人最長となる6年の大型契約を結んで残留。05年には最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得するなど奮闘した。しかし、チームは結果が伴わない。6年間で最下位が4度。今年は48勝94敗2分け、勝率・338と歴史的大敗で最下位に沈んだ。
 球団は今オフに3年総額8億円以上の好条件を提示し、今月に入り3度の会談を持った。しかし、再三の慰留にも三浦が首を縦に振ることはなかった。「ファンにも申し訳ないと思う。早く結論を出したいんだけど気持ちが固まらない」。FA申請解禁の10日以降も熟考を重ねた。横浜への愛着もあるが、やはり勝利の美酒を味わいたいという衝動を抑えきれなかった。
 借りを返したい舞台がある。プロ最多タイの12勝を挙げた98年。チームが38年ぶりの日本一に輝いたが、三浦は日本シリーズ・西武戦第3戦で黒星を喫した。「日本一はうれしかったけど自分が負けたことが悔しかった。連投でいいから第4戦でも投げたいと思ったよ。もう一回借りを返したいんだよ」。優勝から10年の歳月がたった。三浦は「宣言残留するかもしれないし先は分からない」と明言を避けたが、横浜はFA宣言後の会談で条件を見直すことに否定的で、残留の可能性は低い。
 FA宣言すれば早くから獲得に興味を示していた阪神が本命となる。三浦にとって阪神は親しみのある球団だ。奈良県出身で、大阪在住の幼少期には父親が阪神の岡田前監督の私設後援会「岡田会」のメンバーで、甲子園によく通っていたという。阪神戦は今年4勝、通算成績でも37勝15敗、勝率・712と圧倒的な相性の良さを誇る。「あの熱狂的な応援を聞いてると“負けたくない”と思う」と語ったこともある。
 阪神以外にも先発の駒不足で悩む球団が名乗りを上げる可能性があり、今後の動向から目が離せない。

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2008年11月15日のニュース