巨人覚悟!阪神3差決戦“猛爆予行演習”

[ 2008年9月18日 06:00 ]

喜びの阪神ナイン

 【阪神11―6中日】ナゴヤドームに何度も「六甲おろし」がこだました。

 先陣は鳥谷が切った。初回から43歳左腕・山本昌を攻め立てる。赤星の中前打と2四球で1死満塁。このチャンスに真ん中に入ったスライダーを右翼席最前列へ運んだ。
 「打った瞬間どうかなと思ったけど、入って良かった」。プロ5年目で初のグランドスラムを放つと、勢いは止まらない。4回1死一、二塁から左中間を破る二塁打。この時点で自身初の5打点となった。6回には右中間三塁打。サイクル安打がかかった8回の第5打席は二ゴロに終わったが、悔しさはそれほどない。「打ちたかったけど、今度に取っておきます」。決戦を前に上昇気配を確信できれば、十分だった。
 鳥谷の猛打ショーが一段落した8回1死1塁。今度は真打ちが落合竜にトドメを刺す。金本が77打席ぶり、今季最長のブランクを打ち破る22号2ランを右翼席に突き刺した。同時に打点も99まで伸ばし、3年ぶりの大台にリーチをかけた。
 チームも12安打11得点で快勝。夏場以降は苦しい戦いが続いた阪神の2ケタ得点は8月19日の広島戦以来、約1カ月ぶりだ。
 「チャンスを逃していたら山本昌は調子を上げてくるからな。鳥谷の先制弾は大きかった。金本?決まりの2ランやったな。何点あってもええからな」。久々の猛打に、岡田監督も力強くうなずいた。
 19日からは3ゲーム差で2位・巨人と直接対決が待っている。「大事な一戦。1点でも多く取って勝ちたい」と鳥谷。広島時代の96年、巨人に「メークドラマ」を達成され、脇役に追いやられた金本とともに、気持ちは既に天王山に向いていた。

 ≪トラの“3本の矢”も盤石≫阪神・岡田監督は大量リードにもかかわらず、宣言通り“3本の矢”を投入した。先発のリーソップを5点リードの4回1死で降板させると江草、阿部とつないで6回からアッチソンが2回を6人でピシャリと抑えた。「とにかく相手の勢いを止めたいという気持ちで投げた」と話した右腕は救援転向後は17試合27回1/3を無失点で7勝目。8回はウィリアムス、9回は藤川がぴしゃり。狙い通りの継投に指揮官は「球児もセーブのことはあるけどここまで来たらな。勝ち試合には投げさせる。勝てるチャンスがあるんやから」。巨人との直接対決を前に「ここまで来たら何ゲーム差でもいい。楽しみましょう」と藤川。虎の救援陣は盤石だ。

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2008年9月18日のニュース