田沢「会社に恩返し」のフル回転4勝

[ 2008年9月9日 23:25 ]

8回裏から登板した田沢

 【都市対抗・新日本石油ENEOS4―1王子製紙】強豪が鮮やかに復活した。新日本石油ENEOSは盤石の投手力で、13年ぶりに最多9度目の王座を手にした。

 1回に挙げた3点を継投でしのいでいく。最後の締めくくりは、やはりエースの田沢だ。米大リーグ挑戦もうわさされる剛腕は、8回から3番手で登場し、2回を4奪三振。「みんながいい形でつないでくれた。何とかかやってやろうと思っていた」。最速150キロの直球でねじ伏せた。
 田沢は昨秋のドラフト会議では、複数の球団が上位指名候補に挙げたが、「会社に恩返しをしていない」という理由で残留を表明。その強い意思を示すように、先発で3試合、救援で2試合と全試合に登板。制球を乱す悪い癖も影を潜めた。フル回転で4勝を挙げた右腕は「チームに残って良かった。恩返しはできた」と胸を張った。
 今大会はわずかに6失点と、投手陣の安定度は際立っていた。大久保監督は「奇跡ではなく、これが実力だ。田沢という絶対的な投手がいるのは大きいが」と高笑いだった。

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2008年9月9日のニュース