田沢が抑えで救世主!ENEOS4強

[ 2008年9月7日 06:00 ]

7回1死満塁、金森を三振に仕留め、雄叫びをあげる田沢

 都市対抗野球大会(スポニチ後援)第9日は6日、東京ドームで2回戦2試合と準々決勝1試合が行われた。第3試合ではレッドソックスが獲得を狙う新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)が4番手として2回2/3を完全救援するなど1―0でJFE東日本に競り勝った。新日本石油ENEOSは12年ぶりの4強入り。また富士重工、松下電器が8強入りした。7日は準々決勝の残り3試合が行われる。

【試合結果


 【都市対抗 新日本石油ENEOS1―0JFE東日本】目の前の打球をさばき無得点に切り抜けると、新日本石油ENEOSの田沢は雄叫びとともに拳を握りしめた。「きょうは後ろと言われていたので覚悟はありました。苦しい場面だけど、このためにやってきたんで」。試合後のロッカールームで大きく息をついた。
 まさにスーパーリリーフだ。両軍無得点の7回。1死満塁のピンチでマウンドに立つと3番・金森を148キロ直球で空振り三振、4番・佐藤はボテボテの投ゴロに仕留めた。直後に味方が1点を奪うと残り8、9回は完全投球。3月のスポニチ大会で田沢に大会新記録の18三振を喫し、雪辱に燃えるJFE東日本を返り討ちにした。それだけじゃない。レッドソックスが獲得を狙うMAX156キロ右腕は先発だけでなく、抑えの適性まで証明した。
 1メートル80、80キロの体形は昨夏と変わらないが、06年9月から田沢を見守る成瀬トレーナーは「下半身が繰り出すパワーはこの1年間で爆発的に備わった」と絶賛する。下半身強化に適したジャンプ系トレにチューブトレを欠かさず行い、パワーアップしてドームに舞い戻った。この日の救援を含め今大会通算成績は19回2/3で26奪三振の防御率0・46。大久保監督も「よく投げた。ほんまもんの投手です」と最敬礼だ。

 エースがフル回転で頂点まであと2つ。「ここまできたら何でもやります」。「17番」が13年ぶりの王者へまい進する。

 <JFE東日本 松村初先発、好投も>JFE東日本就任3年目で蔵元監督自身初の4強を狙ったが、零敗を喫した。先発に5人の左打者が並ぶ相手打線対策として、この日は予選から8試合を通じて初めて8年目左腕の松村を先発に指名。7回途中まで3安打1失点の好投に「よく投げた」と指揮官は労をねぎらったが、打線が8安打無得点と拙攻の繰り返し。田沢には2回2/3を完全に抑えられ「自分のチームの継投のことで精いっぱいだった」とうなだれた。

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2008年9月7日のニュース