岸 オリ止めた!合コン前にキラー本領発揮

[ 2008年9月7日 06:00 ]

<オ・西>11勝目を挙げた岸は、レフトスタンドのファンに手を振る

 【西武7―1オリックス】会見が始まる時だった。西武の岸は先輩の平尾から「きょうは合コンだろ」と声を掛けられると「いや…」。顔は真っ赤。恥ずかしがる姿は2年目らしかったが、マウンドでは百戦錬磨のベテランのように頼もしかった。

 常にストライク先行。カーブで緩急を使い、両コースを厳しく突いた。史上初の3試合連続引き分けを演じた前回8月31日ソフトバンク戦(ヤフードーム)では9回無失点、171球の熱投。走る量を減らして調整してきたが、疲労は抜けきっていなかった。「球数を少なく制球に気をつけた」。“省エネ”を心掛けた打たせて取る投球。それでも最後の7回にこの日最速タイの145キロを計測し、渡辺監督を「7回が一番球が速かった」とうならせた。
 「きょうは絶対に落とせない雰囲気だったし、絶対勝ちたかった」。負ければオリックスと5ゲーム差。涌井、帆足で連敗した苦しい状況下で、7回を4安打無失点。三塁を踏ませず、100球でまとめた。新人時代の昨年に並ぶ11勝目。8月に初の月間MVPを獲得した勢いは月が替わっても変わらず、連続無失点イニングは18に伸びた。
 オリックス戦は無傷の4連勝。後輩の涌井に「君付け」されても気にしない気の優しい男だが、オリックスから見れば、これほど恐ろしい対戦相手はいない。CSを見据え、チームにとっても切り札的存在となりそうだ。マジックも「14」に減った。合コンの行方は定かではないが、イケメンの23歳がチームを優勝という“ゴール”へ近づけたのは確かだ。

続きを表示

2008年9月7日のニュース