岩村 打っては先制打、守れば美技

[ 2008年7月7日 06:00 ]

<レイズ・ロイヤルズ>2回1死 バトラーの二ゴロを好捕し一塁へ送球する岩村

 【レイズ3―0ロイヤルズ】レイズの岩村明憲内野手(29)が5日(日本時間6日)のロイヤルズ戦に攻守で活躍し、今季3度目の6連勝の立役者となった。2回に右前に抜けそうなゴロをダイビングキャッチでアウトにすると、その裏に9試合連続安打となる先制の2点二塁打。序盤で流れを呼び込み3―0の快勝を演出した。2位レッドソックスとのゲーム差は今季最大の4に広がり、独走ムードも漂ってきた。

 3万人のファンで埋まった本拠地トロピカーナ・フィールドは、去年より14試合早くシーズン動員100万人を突破。6連勝の立役者となった岩村は「1人でも多く入るほど燃えてくるし、アドレナリンも潜在能力も出てくる」と笑顔が絶えなかった。その言葉を象徴するようなプレーが飛び出したのは2回だった。
 1死無走者からバトラーの一、二塁間の痛烈な打球を横っ跳びでキャッチ。即座に起き上がりクイックスローで間一髪で刺した。客席には「AMAZING AKI(驚くべきアキ)」のプラカードが揺れる。二塁コンバート1年目ながら、ここまでわずか1失策。マドン監督は「アキにはバランスを崩しても正確に投げる超人的な能力がある。(アメフトの)QBが走りながら正確なパスを通すのと一緒」と身体能力の高さに感服した。
 その裏、無死一、二塁から連続三振で2死となったが、ここで乗っている男・岩村にチャンスが回ってくる。フルカウントから先発グリンキーの96マイル(約155キロ)速球を右中間へ。打球は飛び込んだ中堅手のグラブをはじく先制の2点適時二塁打となった。これで先制した試合は37勝9敗。「今は先制点は取って当たり前、投手は立ち上がりを抑えて当然という雰囲気がある」と岩村が言うように、かつての弱小軍団の姿はもはやない。
 今後は31試合中、26試合が現在の勝率が5割以下のチームとの対戦で、このまま首位を独走する可能性も出てきた。「最下位だったチームがここまでやっているのは、去年の反骨心があるから」と岩村。今季、球団名から「悪魔(デビル)」が取れた新生レイズは真の怖さを相手に植え付けている。

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2008年7月7日のニュース