竜と0・5差!小笠原が逆転満弾

[ 2008年7月7日 06:00 ]

<中日・巨人>7回2死満塁、小笠原は右越えに逆転の満塁ホームランを放つ

 【巨人7―3中日】頭の中は“無”だった。巨人の小笠原は本能に任せてバットを振った。中日ファンの悲鳴とG党の歓声が脳内で反響した。2試合連続の15号は価値ある逆転満塁弾。ホームを踏みようやく緊張が解けた。極限まで高めた集中力。一振りで十分だった。

 豪快弾が生まれたのは2点を追う7回。2死から打線が粘った。坂本、清水、高橋由の3連打で1点差。4回に2失点につながる失策を犯した岩舘も四球を選んだ。2死満塁。初球、吉見のフォークを右翼席に運んだ。5日も一発を含む2安打3打点。07年6月9日の楽天戦(東京ドーム)以来、通算6本目のグランドスラム。「打席のことは覚えてない。みんなが何とかしようとしていた気持ちが打たせてくれたのかな」。武骨な男は照れ笑いを浮かべた。
 会心の逆転勝利。2位・中日に0・5ゲーム差に迫り、8日から12差をつけられている首位・阪神との3連戦(甲子園)へ弾みも付けた。開幕からスタートダッシュに失敗したチームは77試合目で今季最多の貯金3。「3連敗を想定して貯金3が5割」が持論の原監督も、6月下旬には不振だった小笠原の満塁弾に「まさに価値ある一発。状態は上がってきているね」と目を細めた。
 昨オフに手術した左ひざをかばいながら奮闘する小笠原は患部の状態について多くを語らない。「試合に出る以上は言い訳になる」との思いがあるからだが、試合後は珍しく「なかなか思うようにならなかったけど最近はうまくいっている」と打ち明けた。チームバスは最後列中央が指定席。補助席に左足を伸ばして治療を受けるためだ。患部のケアに最善を尽くし、2日で計7打点。次の照準は虎だ。

続きを表示

2008年7月7日のニュース