五輪候補 杉内あと一球で吹っ飛んだ完封

[ 2008年6月22日 06:00 ]

9回2死、代打・大道に同点弾を浴び、ガックリの杉内 

 【ソフトバンク2―3巨人】あと1人、いや、あと1球だった。9回2死無走者。ソフトバンクの杉内は代打・大道を迎えた。カウント2―3から投じたこの日144球目。直球はやや高めに甘く入り、打球の行方をぼう然と見送った。元同僚でその怖さをよく知るはずのベテラン相手に“スキ”をつくった。

 「いけると思ったんだけど…」。今季2度目の完封、自己新記録となる4試合連続完投目前での同点被弾。エースはガックリと肩を落とした。
 王監督の期待に応えたかった。日本一になった03年以来5年ぶりの“優勝”へあと2勝。「この2カ月くらいは安定感がある。1人で済むなら1人がいい」。そんな指揮官の信頼に応えるように、再三のピンチをしのいだ。6回まで毎回の10奪三振。初回に松中の犠飛でもぎ取った1点のリードを死守したが、1球に泣く結果となった。
 王監督は「杉内はあの1球だけ。でも責められないよ」とかばった。チームも延長12回の末、サヨナラ負け。154球の熱投が報われなかった左腕は「粘りはしたと思う」と言葉少なに球場を後にした。日本ハム・ダルビッシュを上回るリーグトップの7完投も逃した。だが、北京五輪最終候補として日本代表の星野監督にアピールしたことだけは間違いない。

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2008年6月22日のニュース