楽天サヨナラ!でもノムさんがいない?

[ 2008年4月12日 06:00 ]

<楽天・オリックス>延長10回1死二塁、山下がサヨナラ打を放ちガッツポーズ

 【楽天5―4オリックス】これぞ究極の内弁慶!?楽天は11日のオリックス戦(Kスタ宮城)でサヨナラ勝ちを収め本拠地では開幕から無傷の6連勝(敵地は2勝10敗)となった。9回に青山が同点に追いつかれたが、延長10回に代打の山下勝充内野手(30)が中前にサヨナラ打を放った。野村監督は歓喜の瞬間をトイレで迎え、苦笑いしたが、連敗脱出に身も心もスッキリした様子だった。

 握りしめていたのは拳じゃなかった。歓喜の輪に加わるはずの指揮官がいない。劇的なサヨナラ勝利に喜びを爆発させたナインも「なんで?」とキョトン。その瞬間を、なんとトイレで迎えていた指揮官は、照れくさそうに笑うしかなかった。
 「“ピンチヒッター山下”って言ってトイレに行ったんや。ずっと我慢しててよ。全力疾走で行って、はよ済ませてと思ったけど、たまっていたから長い長い。ビャーッてやってるうちに“ワー”ってさ。こりゃ山下打ったなって。(サヨナラの瞬間にベンチにいないのは)野球人生初だよ。まあ、傑作やな」
 延長10回だった。1死二塁から塩川に代えて代打は山下。2球目の低めの直球をはじき返した。連敗を6で止め、今季初の劇勝を呼ぶ中前打。「監督がいなくてショックだった。目に焼き付けさせたかったんですけどね。でも監督が気持ちいい時に僕も最高に気持ちよかった」。7日に1軍昇格したばかりの山下はサヨナラ打とお立ち台のダブル初体験に笑顔だ。
 生での雄姿を見逃した野村監督は、会見場のモニターでリプレーをチェック。「あいつには悪いけど打つとは思わないもん」と言いながら「ええ顔してるやんけ」とニンマリ。これで今季はホームで負けなしの6連勝。くしくも本拠地通算200試合目で観客動員も300万人を突破した記念日を飾った。最下位から4位に浮上し指揮官も「長いトンネルを抜けたら何があった?そこには仙台があった。まあ、ヤレヤレや」と“スイートホーム”効果を口にした。
 4連敗、7連勝、6連敗の楽天ジェットコースターはドタバタの末、再び上昇モードに突入。「あしたに続くかどうかは予測が難しい。ただ、ローテの谷間で勝ったのは大きいわな」。慎重な口ぶりとは裏腹に用も足し勝ちも拾いホッとした顔の野村監督だった。

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2008年4月12日のニュース