小久保に1号3ラン、小椋プロ初勝利

[ 2008年4月12日 17:43 ]

 【ソ8―5西】ソフトバンクは同点の7回に小久保が今季1号の勝ち越し3ランを放ち、シーソーゲームを制した。6回途中から好救援を見せた小椋が、10年目でプロ初勝利を手にした。西武は、守備の乱れが失点に結び付く苦しい展開で、自滅した。

 ≪頼れる男がやってくれた≫頼れる背番号9に、待望の一発が飛び出した。5―5の7回2死一、二塁。復帰5試合目の小久保が速球をとらえると、打球は高々と上がり、左翼席へ吸い込まれた。「あかんかな、と思ったけど、よく届いてくれた」。勝ち越しの1号3ランでチームを勝利に導いた。
 本塁打の前には、意表を突く走塁でチームの嫌な流れを断ち切っていた。5回に逆転しながら、6回に再逆転を許し、その直後の攻撃。四球で出塁し、続く柴原の犠打で二塁へ。ここで西武は小野寺に投手が代わった。
 続く松田の1球目に、小久保は迷わず三盗を試みる。36歳は「初球にいこうと決めていた」という。思い切った走塁が捕手の悪送球を誘い、生還。試合を振り出しに戻した。「あの走塁でチームに貢献できたことが、次の打席の本塁打につながった」。自画自賛の盗塁で、自身、そしてチームを一気に勢いづけた。
 左手首の手術で出遅れていたチームリーダーが、打って、走って大活躍。勝率を再び5割に戻し、王監督は「同じ勝ちでも、意味のある勝ち方。踏ん張りどころで、大きな勝利だった」と手放しで喜んだ。

 ≪プロ10年目の歓喜≫6回途中から救援の小椋が、10年目で待望のプロ初勝利を挙げた。7回までを0点に抑えると、その裏にチームが勝ち越した。「長かった。よくここまで野球ができたと思う」と感慨深げに話した。
 球団の本拠地、福岡の出身。150キロに迫る直球を持ちながら、ケガに泣かされ、昨季5年ぶりに1軍登板を果たした。今季にしても、10日に1軍に上がったばかり。初のお立ち台も経験した左腕は「めっちゃ、気持ち良かった」と感激していた。

 ≪2度リードも…ガックリ渡辺監督≫敗れた西武は、3失策がすべて失点につながった。特に痛かったのは7回。1死一塁からの投前ゴロで、小野寺と二塁ベースカバーに入った片岡の連係が乱れ(記録は片岡の失策)、その後の小久保の勝ち越し3ランにつながってしまった。
 2度もリードしただけに、渡辺監督は「もったいない試合を落とした。久しぶりに、こちらにミスが出て、失点してしまったな」とがっくり。黒江ヘッドコーチは「いい教訓になっただろう」と厳しい表情で話した。

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2008年4月12日のニュース