野茂1000日ぶり復活登板で力見せた

[ 2008年4月12日 06:00 ]

<ヤンキース・ロイヤルズ>7回表2死、満塁、野茂は松井秀喜と対戦。左飛に打ち取った

 【ロイヤルズ1―6ヤンキース】ロイヤルズの野茂英雄投手(39)が10日(日本時間11日)のヤンキース戦で、05年7月15日以来1000日ぶりのメジャーマウンドに上がった。3点リードされた7回から2番手で登板。9回に2本塁打こそ浴びたものの、最後は松井秀喜外野手(33)からフォークで空振り三振を奪い、3回を4安打2失点で投げ抜いた。

 3年ぶりの「ヒデオ ノモ」コールを背に、ブルペンの扉を開け駆けだした。待ち焦がれてやまなかった、1000日ぶりのマウンド。傷だらけとなったトルネードが不死鳥のようによみがえった瞬間だった。
 全盛期の豪快なフォームではない。過去11シーズンで2度しかない中継ぎ登板は制球を意識した“プチネード”投法で最速も140キロ。それでも伝家の宝刀は衰えていなかった。7回2死満塁で松井をフォークで左飛に。9回にロドリゲス、ポサダに連続ソロを浴びたが再び松井をフォークで空振り三振に仕留め、3回65球を投げきった。
 「早くマウンドに上がって投げたかったというか、うれしいというか…まあいつも通りでした」。冷静沈着なコメントで締めようとしたが、喜びは隠しきれない。8回までの2イニングを無失点に抑えた時点で投球数は41。ヒルマン監督から「カラダ、ダイジョーブデスカ?」と日本語で問われ「大丈夫です」と志願の3イニング目に向かった。疲れから球も浮き始めたが、つかんだマウンドを自ら手放すことはできなかった。
 今オフにはライアン、R・ジョンソンらを指導した名伯楽トム・ハウス氏に師事した。共に汗を流したのがドジャース時代からの親友・朴賛浩(パク・チャンホ)だ。日韓のパイオニアと呼ばれた2人。そろって開幕メジャーから漏れたが、朴賛浩は4日にド軍で復活登板。5日に野茂も昇格を果たし、この日を待っていた。
 「2本塁打で評価が変わることはない。きょうは投げさせすぎてしまった」とヒルマン監督。野茂は「無失点に抑えたかった。自分もどこまでやれるか分からないから」と悔しさと8月には40歳を迎える不安も口にした。解雇、手術、苦難のリハビリを乗り越え帰還した栄光の地。最終章へさしかかるトルネード伝説だが、その表情は喜びに満ちあふれていた。

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2008年4月12日のニュース