高円宮妃久子さまIOC総会出席へ 宮内庁長官「両陛下も懸念」

[ 2013年9月2日 23:44 ]

 宮内庁は2日、アルゼンチン・ブエノスアイレスで現地時間7日に開かれ、東京も立候補している2020年夏季五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会に、高円宮妃久子さまが出席し、スピーチをされると発表した。

 スピーチは東日本大震災の被災地支援への謝意を伝える内容としている。政治的な活動と距離を置く皇室の立場として、宮内庁は招致活動への関与を否定してきたが、招致活動の最高潮となる場面に登壇するだけに、風岡典之長官は「苦渋の決断」とし、「天皇、皇后両陛下も案じられていると推察した」と話した。

 一方、ブエノスアイレス入りした東京都の猪瀬直樹知事は久子さまの総会出席を「本番での登場という良い形ができた」と歓迎。「われわれの希望をつくるためにも思いの丈を述べていただきたい」と期待した。

 宮内庁によると、久子さまは3日から9日までの日程でアルゼンチンを訪問。当初は総会には出席せずに、滞在期間中にIOC委員に会ったり、総会前日のレセプションに出席したりして、震災支援への謝意を伝える予定だった。

 しかし、8月26日に下村博文文部科学相が宮内庁を訪れ風岡長官に「招致活動とは切り離してIOC委員にお礼を述べてほしい」と久子さまの総会出席を要請。さらに杉田和博官房副長官からも同様の要望があったという。

 総会でのスピーチは東京のプレゼンテーションの持ち時間に行い、猪瀬直樹東京都知事らがプレゼンをする前に、久子さまが登壇するという。

 風岡長官が下村文科相から要請を受けた際は、両陛下は長野県軽井沢町で静養中。風岡長官は両陛下が31日に帰京するのを待って報告したが、「過去の皇室の対応に鑑みると、両陛下も案じられているのではと推察した」と話した。

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2013年9月2日のニュース