ロシアメディア 激動のソ連史絡め報道 納谷さんを「伝説的力士」

[ 2013年1月19日 23:39 ]

元横綱大鵬・納谷さん死去

 ロシアのメディアは、19日に死去した元横綱大鵬、納谷幸喜さんを日本の「伝説的力士」と紹介。ウクライナ出身の父親を持つことから、その半生について激動のソ連史を絡めながら伝えた。

 タス通信によると、納谷さんの父マルキヤン・ボルイシコ氏は現在のウクライナ東部ハリコフ州出身で、1917年のロシア革命に抵抗した白系兵士だった。

 納谷さんは40年、父が移住した日本統治下の樺太(サハリン)南部の敷香(現ポロナイスク)で日本人の母との間に生まれたなどと、タスは納谷さんと旧ソ連との関わりを詳しく報じた。

 納谷さんのロシア名はイワンで、父は自宅でしばしば母の姓の納谷をかぶせた「ナヤ・イワン」と呼んだという。

 45年に第2次大戦が終わり、ソ連が樺太全体を統治することになったが、ロシアのインターネットメディアは父が白系だったため、ソ連当局に捕らえられ、抑圧を受けることになったと報道。母は5歳の納谷さんを連れて北海道に引き揚げたため、一家は離散し、納谷さんと父はそれ以来、一度も会うことがなかったという。

 同メディアによると、納谷さんはソ連崩壊後の2002年にウクライナの父の故郷を訪問し、相撲大会を開催した。

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2013年1月19日のニュース