白鵬沈痛「私にとって角界の父」初場所前に見舞い、優勝で恩返しを

[ 2013年1月19日 21:44 ]

元横綱大鵬の納谷幸喜さんの遺体が安置されている大嶽部屋への弔問を終え、記者の質問に答える白鵬

元横綱大鵬・納谷さんを悼む

 横綱の先輩として納谷さんから数々の助言をもらった白鵬は、沈痛な表情を浮かべた。悲報は土俵入り前に聞き「なかなか気持ちが入らなかった」ことから、出番前の準備運動ではいつも以上に気合を入れていた。

 結びの一番を豪快な左上手投げで制すると、思いがあふれた。「私にとって角界の父、日本のお父さんといってもおかしくない存在。その人がいなくなって悲しい」と伏し目がちに話した。

 両国国技館を離れた後、午後8時前には大嶽部屋を訪れ、遺体と対面した。もう話すことのできない姿を目にすると涙を浮かべ、言葉少なに部屋を去った。

 納谷さんの体調が悪いことを案じ、17日には場所入り前に東京都内の自宅を見舞った。約10分間の会話だったそうで「大鵬親方の優勝32回に一つ、二つでも近づけるよう精進します」と誓うと、「しっかりやりなさい」と励まされたという。同じく大横綱への道を歩む白鵬は納谷さんからの最も印象に残る助言として「年齢に関係なく、横綱になるのは宿命だ」を挙げた。2連覇こそが最高の恩返しとなる。

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2013年1月19日のニュース