錦織 日本男子80年ぶり4大大会2年連続16強

[ 2013年1月19日 06:00 ]

男子シングルス3回戦で勝ち、ガッツポーズする錦織圭

全豪オープンテニス第5日

(1月18日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルス3回戦で、世界ランク18位で第16シードの錦織圭(23=日清食品)は同82位のエフゲニー・ドンスコイ(22=ロシア)をストレートで破り、2年連続で16強入りを決めた。日本男子の4大大会2年連続16強入りは33年の全仏、ウィンブルドンの佐藤次郎以来80年ぶりで全豪では初の快挙。4回戦では同5位で第4シードのダビド・フェレール(30=スペイン)と対戦する。

 相手のリターンがアウトになるのを見届けると、錦織は右腕でガッツポーズをつくった。天を仰ぎ、8強に進んだ昨年に続く16強入りの余韻に浸った。日本男子の4大大会2年連続16強は、1930年代に世界的に活躍した名選手・佐藤次郎が33年の全仏、ウィンブルドンで達成して以来80年ぶりの快挙。それでも「(16強が)良い意味でうれしくないというか、舞い上がってないという感じ。今まで16強は大きな位置づけだったけど、これが当たり前になってくればステップになる」と喜びは控えめだった。

 トスが流れるほどの強風の中、最高時速191キロ、最大68キロ差の緩急自在のサービスをコースに打ち分け、相手を翻ろうした。第1セットは互いにキープし、タイブレークの末にものにしたが「(第2セット第2ゲームの)初ブレークでサーブに余裕が出た」。圧巻は第2セット第7ゲーム。風下からサービスエース3本を決めてキープした。流れを一度も相手に渡さず、2時間6分の快勝で貫禄を見せつけた。

 炎天下の試合に最善の準備をした。蒸れを防ぐ素材を使ったユニクロ社製のウエアも1回戦、2回戦で着た全豪カラーのターコイズブルーから白にチェンジ。関係者によると、最高気温が40度になるという予報を受けて、熱を反射する白に替えたのだという。前夜には杉山愛さん(37)と日本食に舌鼓を打った。女子ダブルスで4大大会3度優勝の先輩から激励も受けた。その元女王の期待にも応えた。

 「ここまで来ることは考えてなかった。(大会直前に痛めた)膝のこともあったので。どこまでできるか分からないと思っていた。今は目先の試合を考えて戦っている」。次戦の相手フェレールとはロンドン五輪を含め3度対戦し2勝1敗。「過去何回か勝っているので、そのイメージを持ってやりたい。8強に入る試合が鍵になってくる」。日本のエースが気を引き締めた。

 ▽佐藤 次郎 戦前に活躍した伝説的な選手。1908年(明41)1月5日、群馬県出身。早大卒。4大大会シングルスで32勝は日本男子最多。31年の全仏、32年の全豪、ウィンブルドン、33年の全仏、ウィンブルドンと4大大会で5度、ベスト4入りした。33年には世界ランク3位にまで上り詰めたが、34年4月、デビス杯遠征中にマラッカ海峡に投身自殺。26歳の若さだった。

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2013年1月19日のニュース