北の湖理事長「尊敬していた」九重親方「たくさん教えてもらった」

[ 2013年1月19日 21:03 ]

死去した元横綱大鵬の納谷幸喜さんについて話す日本相撲協会の北の湖理事長

元横綱大鵬・納谷さんを悼む

 大鵬の優勝32回を目指した歴代の名横綱が納谷さんの死を悼んだ。優勝24回の北の湖理事長が最後に会ったのは、昨年九州場所後だったという。両国国技館を車いすで訪れた納谷さんと会話し「その時はまだ元気だった。まさかと思った」と、驚きを隠せなかった。

 かつての大鵬部屋で現在の大嶽部屋と、北の湖部屋は近隣。「町内会が一緒で、うちの力士に四股の踏み方をご指導いただいたこともあった。食事をしながら頑張っていかないとと教えてもらった」と思い出を語った。

 優勝回数で1回及ばなかった九重親方(元千代の富士)は「その1回が程遠い。でも、そういう記録があったからこそ、自分たちも頑張れた。よく二所ノ関一門の稽古に出稽古して、教えてもらったことがたくさんあった」と、同じ北海道出身の大先輩に感謝を口にした。

 “平成の大横綱”と呼ばれた優勝22回の貴乃花親方は春場所担当部長の仕事で大阪へ出張中。「2010年の理事選挙で初めて当選した時に、良かったなと声を掛けてもらい、身の引き締まる思いだった。偉大な人を亡くして、相撲界にとっても本当に残念」との談話を出した。

 ▼鶴田卓彦氏(横綱審議委員会委員長)の話 72歳というのは、ちょっと若すぎる。これからの相撲協会に、まだまだ必要な存在だった。相撲は強かったけど、話すと人情味があって優しくて謙虚な方だった。両横綱をはじめ力士の模範だった。

 ▼海老沢勝二氏(横綱審議委員会前委員長)の話 若手の指導育成に手を尽くした。今はそういう人材が少ない。大きな損失。気配りや人への思いやりの精神が強かった。

 ▼八角親方(元横綱北勝海)の話 相撲界に対して、功績を残した方だった。そういう方がいて初めて相撲界は繁栄している。自分たちはその伝統を引き継いで、立派にしていかなきゃいけない気持ちだ。

 ▼松ケ根親方(元大関若嶋津、同じ二所ノ関一門)の話 雲の上にいる人。一門の親方衆を大事にしていた。(偉ぶることは)全然ない。「厳しく指導しないといけないよ」などと、いろんな話をしてもらった。

 ▼桜井春芳氏(二所ノ関部屋で元横綱大鵬と一緒だった元立行司の第29代木村庄之助)の話 新弟子のころから知っている。細い細い子だった。北海道巡業の時に駅まで迎えに行ったのを覚えている。(昨年の)10月に会った時は元気だった。何とも言えない。びっくりしている。

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