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【帝京平成大学】音羽教授らの国際共同研究Gが不安症新規遺伝子発見

[ 2016年1月12日 05:30 ]

 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科の音羽健司教授と米国バージニア・コモンウェルス大学のジョン・ヘッテマ准教授らの国際共同研究グループは、不安症(全般性不安症、パニック症、恐怖症)に共通する疾患感受性遺伝子2カ所を発見した。本研究成果は、米国の科学雑誌「Molecular Psychiatry」に掲載されるのに先立ち、オンライン版に掲載された(米国東部時間1月12日付)。

 今回の研究では、これまでに報告された中では最大規模となる9つの白人集団計1万8000人に対して、不安症(全般性不安症、パニック症、社交恐怖、広場恐怖症、限局性恐怖症)に共通する疾患感受性座位を見出すために、(1)何らかの不安症をもつ患者と健常対照者の比較(患者-対照解析)と(2)全対象者に対して不安症に共通する要因をどの程度もっているかを示す、因子分析による因子得点を用いた解析(因子得点解析)の2通りの解析を行った。上記それぞれの解析手法に対して、650万個の一塩基多型(SNP)部位を調べ、全ての解析結果を合わせたメタ解析を行った。

 その結果、患者-対照解析では3番染色体に位置する非コードRNA領域が、因子得点解析では2番染色体に位置するCAMKMT遺伝子が、それぞれ不安症のなりやすさに関係する遺伝子として検出された。

 研究グループはさらに、遺伝的リスクを示すポリジェニックスコアを用いて、これまでに報告された他の精神疾患との遺伝的重なりを検討し、その結果、統合失調症や双極性障害では関連が低く、不安症とうつ病とで有意な関連を認めた。

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