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こだわり旬の旅

【群馬・みなかみ】もちろん温泉も!個性豊かな18の名湯 懐かしCMの大浴場、あの画伯が愛した宿

[ 2023年2月19日 18:59 ]

明治時代の面影を残すムードあふれる法師温泉「長寿館」の法師乃湯(みなかみ町観光協会提供)
Photo By 提供写真

 「みなかみ18湯」というように、18の名湯がある水上温泉郷。放っておく手はないと、“温泉ツーリズム”も楽しんだ。

 まずは上毛高原駅からバスで約1時間の一軒宿、法師温泉「長寿館」=(電)0278(66)0005。弘法大師が発見したといわれ、昭和56年の高峰三枝子と上原謙による旧国鉄のフルムーンのCMやポスターで人気になった温泉で、舞台となった法師乃湯(混浴)は今も健在。明治時代の建築で一世紀以上の歴史を今に伝える鹿鳴館風の大浴場はムードたっぷり。温度が40~42度と微妙に違う浴槽の1つに身を沈めると、無色透明のナトリウム・カルシウム―硫酸塩泉の湯が全身をまろやかに包んでくれる。足下の玉石からは純度100%の源泉がポコポコ自然湧出。天然温泉の醍醐味を堪能した。

 宿を取った、同駅からバスで約10分の上牧温泉「辰巳館」=(電)同(72)3055=は、山下清画伯が愛した温泉宿。昭和30年代に何度となく訪れ、貼り絵や水彩画を描いたそうで、はにわ風呂の大壁画「大峰沼と谷川岳」は、山下画伯が自身の原画をもとに特殊ガラスを使って作成した作品。大正13年開湯の上牧温泉は谷川岳の雪解けの水などが地中で温められ、約17年の歳月を経て湧出する天然温泉(ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物泉)で、壁画を見ながらの湯浴みは格別。熱めの湯が山下画伯の情熱を感じさせた。

 翌日は水上駅からバスで約40分の「宝川温泉 汪泉閣」=(電)同(75)2611=へ。今年100周年を迎えた古湯で、天下一といわれる大露天風呂が売り物。総湯量は毎分1800リットル、4つに分かれた露天(1つが女性専用)はのべ470畳にも及び、渓流沿いに湯煙を上げるサマは圧巻だ。中でも摩訶(まか)の湯は120畳の広さ。湯浴み着を付け勇んで入ったが、この日はあいにくの雪模様。湯温は40~68度というが、さすがにぬるくて即退散。ほかの露天も諦めて、館内の殿湯で温まった。3露天コンプリートのためまた来なくては!

 ▽行かれる方へ 日帰り入浴料は長寿館1500円、辰巳館は昼食か夕食付きで8000円から、宝川温泉は湯浴み着付きで1500円。

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