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こだわり旬の旅

【静岡・浜松】「直虎」ブームに沸くゆかりの地 井伊家発祥の井戸も人気

[ 2017年4月2日 05:35 ]

国指定名称の龍潭寺庭園。直虎も見たのだろうか                    
Photo By スポニチ

 NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台、静岡県・奥浜名湖周辺(浜松市)が熱い。放送開始以来、井伊直虎が眠る龍潭(りょうたん)寺や大河ドラマ館などが大人気で、関係者はうれしい悲鳴を上げている。突如、歴史の表舞台に登場した直虎とはどんな人物だったのか。掛川―新所原駅間を走る天竜浜名湖線(天浜線)に乗って、ゆかりの地を訪ねた。

 奥浜名湖を訪れるまでどうしても解せないことがあった。歴史上はもちろん、地元でさえ知られていなかった直虎が、なぜ大河ドラマになったのか。その疑問に奥浜名湖観光協会事務局長の荘司哲さんが答えてくれた。「以前から“戦国BASARA(バサラ)”などの人気ゲームに直虎という人物が登場していて、そのゲームにハマっていたNHK職員が直虎に目をつけたようです」。

 “目からウロコ”の気分で、戦国バサラの直虎のイラストで内外をラッピングした列車「直虎号」に乗って、気賀駅からタクシーで5分の龍潭寺(拝観料500円)へ。1300年の歴史を持つ古刹で、井伊家の菩提寺だ。本堂内の左甚五郎作のうぐいす張りの廊下を進むと開山堂。そこにはドラマで小林薫演じる南渓和尚らの位牌が安置され、井伊家霊屋には同家1000年40代の位牌も。また、本堂裏には国指定名勝の美しい龍潭寺庭園(池泉鑑賞式庭園)が広がり、境内には直虎、父・直盛、許婚(いいなずけ)だった直親の長男で後に「徳川四天王」の一人と称される直政ら同家24代の墓が建つ。前に立つと、女城主のパワーが伝わってくるようだ。

 同寺山門を出て田園脇を南に約3分歩くと、白壁に囲まれた大きな石組み井戸。同家初代共保が生まれたとされる「共保公出生の井戸」で、形こそ違うがドラマにもたびたび登場。人気スポットの1つになっている。

 人気といえば、同じ気賀駅から歩いてすぐの「おんな城主直虎大河ドラマ館」(入館料600円)もそう。ドラマの撮影セットや小道具、衣装などが展示され、その世界観を体感できるテーマ館で、1月15日のオープン以来、見物客が引きも切らない。

 直虎人気は意外な場所にも光を当てている。天浜線の発着駅で新幹線も停車する掛川駅から徒歩約7分の掛川城(入館料410円)。今川氏の家臣、朝比奈氏によって築城された外観3層、内部4階の天守閣を持つ城で、実はこの城下で直親が殺害されたといわれる。これを皮切りに井伊家は主立った男性をすべて失い、誕生したのが「女城主直虎」。その直虎を演じる柴咲コウのラッピング電車も天浜線に登場して、奥浜名湖一帯は直虎色満開だ。

 ▽行かれる方へ 車は東名道浜松西IC、新東名道浜松いなさIC利用。遠州鉄道、天竜浜名湖鉄道では天浜線、遠鉄バス・電車の各1日フリー乗車券、大河ドラマ館入場券、龍潭寺拝観券付きで通常より47%オフの2300円というお得な「直虎1Dayパス」を発売中。問い合わせは奥浜名湖観光協会=(電)053(522)4720、掛川観光協会ビジターセンター=(電)0537(24)8711。

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