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こだわり旬の旅

【茨城&栃木・笠間&益子】魯山人の世界に浸る「春風萬里荘」

[ 2016年12月31日 05:30 ]

美しい庭園が広がる春風萬里荘                             
Photo By スポニチ

 笠間に来たらもう一つ見逃せないのが、自然豊かな「芸術の村」にある笠間日動美術館分館「春風萬里荘(しゅんぷうばんりそう)」(入館料600円)。陶芸や絵画など多方面で才能を発揮した芸術家・北大路魯山人が住んでいた約300平方メートルの茅葺き民家で、「笠間に芸術家が集うコミュニティを」と作られた同村の旗艦施設として、1965年(昭40)に鎌倉から移築された。

 内部には魯山人自らがデザインしたステンドグラスや設計から携わった茶室、洋間の木レンガを敷き詰めた床、風呂場の壁にめぐらされた青竹をかたどった半円筒形の陶板など、“万能の異才”と呼ばれた魯山人の才が随所に。「アサガオ」と名付けられた自作の陶製便器には思わず見入ってしまった。

 また、同荘の前に広がる緑豊かな庭園も美しく、京都・龍安寺を模して造られた枯山水の石庭、睡蓮の池に掛かる太鼓橋などを見たり散策などしていると、時間を忘れてしまいそう。同荘内の茶房「春風庵」では、この眺めとともに京都産の抹茶(420円)などを楽しむこともできる。

 現在、画家や陶芸家、彫刻家らのアトリエが点在する芸術の村。その中心にある春風萬里荘で魯山人に思いを馳せるのも風情があっていい。JR水戸線笠間駅から徒歩約20分。(電)0296(72)0958。

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