藤井正弘の血統トピック

高速対応が鍵も父はレコードホルダー

[ 2016年2月18日 05:30 ]

 フェブラリーSのレースレコードは09年にサクセスブロッケンが記録した1分34秒6。東京ダート1600メートルのコースレコードは、14年に1000万条件の三浦特別でトロワボヌールが記録した1分34秒1となっている。ただし、ダート1600メートルのJRAレコードは別に存在する。東京コース改修前の01年、武蔵野Sでクロフネが叩き出した1分33秒3。後のジャパンCダート優勝馬イーグルカフェを、1秒4ちぎり捨てた超絶パフォーマンスは今なお語り草だ。

 ホワイトフーガは日本のダート競馬のレジェンドともいえるクロフネが、種牡馬として本領?のダート部門で送り出した初めてのG1級勝ち馬。そのJBCレディスクラシックで置き去りにしたサンビスタを物差しにすれば、この相手でも互角どころか優位という見立ても可能だろう。母の父フジキセキは06年のフェブラリーS優勝馬カネヒキリを出したダートG1サイヤーで、東京大賞典勝ちのサウンドトゥルーによってダートG1ブルードメアサイヤーにもなった。ちなみにサウンドトゥルーはクロフネの父フレンチデピュティの産駒であり、フジキセキ産駒のカネヒキリは逆に、母の父にクロフネの父系祖父デピュティミニスターを据えていた。いずれにしてもこの父と母の父の組み合わせは、ダートの大物に特化したニックスと言って差しつかえない。

 先週は1000万条件で1分35秒4のタイムが出たように、今開催の東京コースは時計が速い。加えて週末は雨予報。レコード級の高速決着への耐性が問われる一戦となりそうだが、初体験となる東京ダート1600メートルで父の血が騒ぐ可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)

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