藤井正弘の血統トピック

ディープVSステイ 一点豪華“血戦”

[ 2014年4月9日 05:30 ]

 今回の桜花賞で4連覇に挑む種牡馬ディープインパクトは一昨年のジェンティルドンナ→ヴィルシーナ、昨年のアユサン→レッドオーヴァルと、2年連続でワンツーも決めていた。要するに直近3年の桜花賞連対馬は、3年前にマルセリーナの2着に入ったホエールキャプチャ(父クロフネ)以外、全てディープインパクト産駒ということである。

 種牡馬単位の切り口からもディープインパクト産駒=ハープスターの絶対的優位は動かないわけだが、前2年との相違は抽選待ちを含めた20頭の登録馬の中でハープスターが唯一のディープインパクト産駒であること。ちなみにディープインパクト第4世代で先週末現在、本賞金900万以上のオープンにランクされている牝馬は他に未勝利→春菜賞を連勝したヤマノフェアリー(フィリーズレビュー8着後に骨折が判明)しかおらず、すでに3年連続のワンツーフィニッシュはレースの前から断念せざるを得なくなっている。別の見方ではハープスターの一点豪華主義に徹した結果とも解釈できるだろう。

 “一点豪華主義”という点では不敗の2歳女王レッドリヴェールも同じ。ハープスターの父ディープインパクトの場合、皐月賞には4頭の登録があるように3歳牡馬に関しては平年並みといえるのだが、こちらの父ステイゴールドは今のところ牡のオープン馬も新馬と500万平場を勝ったマイネルアウラートのみ。オルフェーヴル、ゴールドシップで2年続けてクラシックを席巻した当時の勢いが完全に消えてしまっているのである。

 もともとステイゴールド産駒は牡馬優位の傾向が顕著で、現4歳までの8世代では牝のG1馬はおろか、G1で馬券の対象になった牝馬も12年オークス3着のアイスフォーリスしかいなかった。種牡馬ステイゴールドの“変節”の代償が牡馬の不振に現れたと仮定すれば、レッドリヴェールには3冠級の能力が伝わっていても不思議ではない。(サラブレッド血統センター)

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