藤井正弘の血統トピック

最大の穴配合はモグモグパクパク

[ 2013年5月1日 06:00 ]

 NHKマイルCは種牡馬サンデーサイレンスが取り損ねた唯一の芝平地G1なのだが、そのサンデーサイレンスが「父の父」、あるいは「母の父」として圧倒的なシェアを誇るレースでもある。皮肉にも「母の父」として直子デアリングハートの優勝を阻止してしまった05年のラインクラフトを皮切りに、06年ロジック、08年ディープスカイ(共に父アグネスタキオン)、09年ジョーカプチーノ(父マンハッタンカフェ)、10年ダノンシャンティ(父フジキセキ)、11年グランプリボス(母ロージーミスト)、そして12年カレンブラックヒル(父ダイワメジャー)と、孫世代から出た優勝馬は既に7頭。常識的に考えれば、サンデーサイレンス血脈を持たない馬は厳しいということになる。

 ちなみに、近年で唯一の「非サンデーサイレンス系」優勝馬は07年のピンクカメオ。単勝17番人気の超ロングショットは記憶に新しいところだ。同馬の父フレンチデピュティは01年にクロフネ→グラスエイコウオーでワンツーを決めていたのだが、この時のグラスエイコウオーも単勝13番人気のダークホース。断然人気クロフネとの馬連は6880円の高配当だった。前記アグネスタキオン、キングマンボ(98年エルコンドルパサー、04年キングカメハメハ)と並ぶ“最多勝サイヤー”のフレンチデピュティは同時に、このレースにおける最強の穴メーカーと言ってもいいだろう。

 今年のメンバーでサンデーサイレンスとフレンチデピュティが血統表に共存する馬はインパルスヒーロー、ガイヤースヴェルト、マイネルホウオウ、モグモグパクパクの4頭。中でも母ワスレナイデがフレンチデピュテイ×サンデーサイレンスというモグモグパクパクは、父系祖父のタイキシャトルも03年の優勝馬ウインクリューガー(9番人気)を出している。ノーマークに近い存在だが、血統面から“大物食い”の可能性を見込んでおきたい。

(サラブレッド血統センター)

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