藤井正弘の血統トピック

【新種牡馬紹介(4)】ディール産駒に二刀流伝える

[ 2012年8月8日 06:00 ]

 サイレントディール 00年生 栗毛 早来産 中央、地方、UAEで50戦7勝 主な勝ち鞍は武蔵野S、シンザン記念、佐賀記念 2歳産駒34頭。

 01年エリザベス女王杯勝ち馬トゥザヴィクトリーの全弟。姉はドバイワールドCで連対を果たした史上唯一の牝馬でもあり、弟の方は恐らく、芝とダートでJRA重賞を勝った最初で最後のサンデーサイレンス産駒となる。“二刀流”は血統に由来する特質と考えられるだろう。7月30日に大井の新馬を制したドリームタイムが中央、地方を通じた産駒の勝ち馬第1号。芝砂兼用は種牡馬としても変わりないはずで、ダービー0秒4差4着の実績が物語る潜在的な距離克服能力も見逃せない。

 ブラックタイド 01年生 黒鹿毛 早来産 中央22戦3勝 主な勝ち鞍はスプリングS、若駒S 2歳産駒78頭。

 3冠馬ディープインパクトの1歳違いの全兄。今年は総合リーディング奪取が確実視される偉大な弟のブランドパワーが種牡馬入りをアシストしたのは間違いないが、自身も皐月賞2番人気のクラシック候補だった。ちなみに03年生まれの全弟オンファイアも種牡馬として稼動中。“種牡馬3兄弟”は少なくないが「3世代連続」の「全兄弟」となると、これは世界的にも珍しいサンプルだ。先週のダリア賞で2着に追い込んだエフティチャーミーなど、産駒は中央、地方合わせて5頭が勝ち上がっており、出走頭数21頭、獲得賞金2945万1000円も5日現在、新種牡馬のトップ。本質的にはおくての血統だけに、このスタートダッシュは注目に値する。(サラブレッド血統センター)

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