藤井正弘の血統トピック

【オークス】ディープ父超える可能性十分

[ 2011年5月18日 06:00 ]

 今年のオークスの血統的な主役は、言うまでもなく桜花賞馬マルセリーナを筆頭に5頭出し(ハッピーグラスが6分の2の抽選を通れば6頭出し)の種牡馬ディープインパクト。ダービー&ジャパンC完勝で示した東京2400メートル適性は、とりあえず種牡馬としても信頼できると仮定して、各産駒の母系の血をチェックしていこう。

 2冠を狙うマルセリーナの母マルバイユはフランスのG1(アスタルテ賞)マイラー。その父マルジュは仏オークス馬シルシラを出していて、ジャパンC2着のインディジェナスの父として東京2400メートルにも実績がある。ハブルバブルの母ラヴアンドバブルズは1800メートルの仏G3(クロエ賞)ウイナーで、祖母バブルドリームは菊花賞馬ザッツザプレンティの半姉。グルヴェイグは母エアグルーヴ、祖母ダイナカールという究極の“オークス一族”の3代目だ。メデタシは母の父クロフネが未知数とはいえ、祖母の父シアトリカルは自身がBCターフ勝ち馬であり、ジャパンC2着のヒシアマゾンの父にもなった。母が北米スピード血脈の塊と言えるサイレントソニック以外は、いずれも牝馬同士の2400メートル戦で音を上げるような血統構成ではない。

 無抽選で出走権が確定している16頭のうち、ディープインパクト産駒を除いた11頭の父馬は全て異なる。つまり、種牡馬単位では対立軸の存在しない完全な1強状態というわけだ。ちなみにサンデーサイレンスがオークスでワンツーを決めたのは03年の第9世代(スティルインラブ→チューニー)が最初で最後だった。今回、種牡馬ディープインパクトに課せられたテーマはズバリ、父を超える“金銀銅”独占。かなり高いハードルだが、クリアしてしまう可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)

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