藤井正弘の血統トピック

【NHKマイルC】ディープ産駒ワンツーあるかも

[ 2011年5月4日 06:00 ]

 NHKマイルCはJRAの芝G1の中で唯一、種牡馬サンデーサイレンスが取り逃がしたレースだが、その反動というべきか、サンデーサイレンス後継種牡馬が圧倒的な支配力を示しているレースでもある。

 06年(1着ロジック=父アグネスタキオン、2着ファイングレイン=父フジキセキ、3着キンシャサノキセキ=同)、10年(1着ダノンシャンティ=父フジキセキ、2着ダイワバーバリアン=父マンハッタンカフェ、3着リルダヴァル=父アグネスタキオン)の2度にわたって「金銀銅」を独占するなど、直近5年で4勝。となると今年は、抽選待ちを含めて8頭エントリーのディープインパクト産駒に注目しないわけにはいかないだろう。 

 賞金順で出走当確ラインをクリアしているのは、朝日杯FS2着馬リアルインパクトと毎日杯2着馬コティリオン。05年の3着馬アイルラヴァゲイン(父エルコンドルパサー)の半弟である前者、母ジェミードレスが02年の覇者テレグノシスと同配合(トニービン×ノーザンテースト)という後者ともに“マイルC適性”が潜在する血統で、クロフネ→グラスエイコウオーのフレンチデピュティ産駒で決着した01年以来となる同一種牡馬産駒のワンツーも大いに考えられる。

 残る2勝馬も東京1マイルに強い(96年2着ツクバシンフォニー、3着ゼネラリストの父でもある)デインヒルが母の父のディープサウンドをはじめ、全馬争覇圏と言っていいほどの分厚い布陣。ちなみにプランスデトワールとサトノオーは叔父とおいの間柄(サトノオーの母エアトゥーレがプランスデトワールの半姉)で、そろって抽選をくぐり抜けるようなら面白い。前記した96、01、06年に加え、07年にはキングヘイロー産駒のローレルゲレイロとムラマサノヨートーが2、3着を占めたように、このレースは同じ父の産駒がペアで馬券に絡むケースが多いのだが、さらに両馬は同一世代では双子を除いて最も親等の近い血縁関係にある。究極の“血統的コンビ打ち”が見られるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る