藤井正弘の血統トピック

【ヴィクトリアM】ビレン 春天ブラックに続き父が“長兄の威厳”

[ 2017年5月11日 05:30 ]

 先週のNHKマイルCには、芝G1としては珍しく産駒のエントリーがなかったディープインパクトだが、今週は昨年の2着馬ミッキークイーン、4着馬スマートレイアーなど4頭出しとなる予定。さらにディープインパクトの全兄ブラックタイドはアスカビレン、同じく全弟オンファイアがウキヨノカゼを送り込む。14年朝日杯FS以来2年半ぶり、非世代限定G1では初めて全兄弟サイヤー3頭による“G1そろい踏み”が実現するわけだ。

 父が共通する全兄弟に限らず、同じ母から生まれた兄弟種牡馬の成功例としては、母サクラセダンのサクラトウコウ、サクラチヨノオー、サクラホクトオー、あるいは母ソシアルバターフライのトウショウボーイ、トウショウゲート、トウショウイレブン、トウショウルチェーの4兄弟も有名だが、同じ時期に同じジャンルでG1級を出すとなると極めて難度が高い。今回のようなケースは恐らく世界的にも初。「母ウインドインハーヘア」に凝縮された驚くべき遺伝力の証明だろう。

 アスカビレンは3兄弟サイヤー共通の3代母である英1000ギニー馬ハイクレアの血を祖母の父ナシュワンの祖母としても内蔵(ハイクレア4×5)している。大阪杯、天皇賞のキタサンブラックに続き、またまた父ブラックタイドが“長兄”の威厳を示すかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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