藤井正弘の血統トピック

SS3×3“過激インブリード”実験段階から実用段階へ

[ 2017年1月11日 05:30 ]

 8日に行われた17年最初の3歳重賞は牡牝共に波乱の決着となった。

 シンザン記念を8番人気で制したキョウヘイはリーチザクラウン産駒。母の父がダンスインザダークなので、同レースで4着だった札幌2歳S勝ちのトラストと同じサンデーサイレンス3×3の近交馬となる。

 世代2頭目、通算3頭目のグレード勝ち馬を生み出したことによって、この過激にも映るインブリードは実験段階から実用段階に移行するものと思われる。今春から社台スタリオンステーションで供用される父は、昨夏の勝ち馬連発で“栄転”が決まって気が緩んだわけでもないのだろうが、8月以降、産駒は実にJRAで53連敗中だった。種牡馬展示会シーズンを前に起死回生の効果的アピールになったといえる。

 フェアリーSはブラックタイド産駒のライジングリーズンが10番人気で優勝した。こちらの父もG13勝を含む重賞6勝というキタサンブラックの縦横無尽の活躍が目くらましになっているものの、それ以外の重賞勝ちは14年デイリー杯2歳Sのタガノエスプレッソを最後に2年以上も途絶えていた。ようやく二の矢を放つことに成功した形だ。ちなみに「母の父キングカメハメハ」はタガノエスプレッソと共通。累計出走14頭中10頭までが勝ち上がり、うち2頭が重賞勝ちという父と母の父の組み合わせはニックスと認定していいだろう。(サラブレッド血統センター)

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