大江千里 過去のヒット曲の重圧で苦悩 ジャズピアニストに転身した理由

[ 2016年10月4日 11:25 ]

大江千里
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 かつてシンガー・ソングライターとして活躍、現在はニューヨークでジャズピアニストとして活動する大江千里(56)が4日、フジテレビ「ノンストップ」(月~金曜前9・50)にVTR出演。過去のヒット曲から感じた重圧と、ジャズピアニストに転身した理由を明かした。

 大江は1983年にシンガー・ソングライターとしてデビュー。ポップで心がキュンとする世界観でヒット曲を連発した。しかし「17、8歳ぐらいの、初めてポケットの中で手を握るような“キュン”とくる瞬間が、ラブソングの世界の一番パワフルな時期。そこから(年齢を重ねて)飛距離ができればできるほど、だんだん『よいっしょ』ってそこに行かなければならなくなった」。年齢を重ねるにつれ、歌の世界観と自分自身のギャップを埋められなくなり、若いころのヒット曲の存在に苦しめられるようになった。当初は30歳で引退しようと決意。しかし、ちょうど30歳の1991年に「格好悪いふられ方」が自身最大のヒット曲となり、簡単に引退することができなくなってしまった。

 2008年、42歳になった大江は単身渡米を決意。「10代のころからジャズが好きで、1回ちゃんと習いたいと思っていた」。日本での仕事をすべて休止、歌うこともやめ、ニューヨークの音楽大学でジャズを学ぶことを決断した。若い学生たちとともに4年半ジャズを学び、卒業後も帰国せずニューヨークで音楽活動を続けた。現在ではジャズピアニストとして伝説のジャズシンガー、シーラ・ジョーダン(87)から認められるまでの存在になった。

 「今はピアノが弾くことが楽しくてしょうがない」と大江。「ジャズをやって、あの時の曲を聴くと、自分は何を悩んでいたんだと思うことがある。『これはいい』と自分で自分のことを初めて認められる」。ジャズピアニストとして充実している今だからこそ、自分を苦しめた過去のヒット曲を素直に受け入れられるようになったという。

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2016年10月4日のニュース