海老蔵 麻央思いやる「苦しさ、つらさと闘っている」

[ 2016年6月10日 05:30 ]

10年1月の婚約会見で幸せそうな笑顔を浮かべる市川海老蔵と小林麻央

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(38)が9日、都内で会見を行い、妻でフリーアナウンサーの小林麻央(33)が乳がんを患っていることを明かした。約1年8カ月前に乳がんと診断され、現在は抗がん剤を使って治療中。病状は深刻で、今後手術を受ける予定。海老蔵は当初の心境を「途方に暮れた」と明かし、闘病する妻を「家族で支えていく」と誓った。

 スチルカメラ40台、テレビカメラ30台、報道陣約200人が集まる中、海老蔵は会見場に紺色のスーツ姿で現れた。軽く一礼。麻央の病名を聞かれると「単刀直入に言うと、乳がんです」と答え、進行性の乳がんであることを明かした。

 診断されたのは約1年8カ月前。夫婦で受けた人間ドックがきっかけだった。海老蔵は病名を告げられた時の心境を「途方に暮れた」と吐露。会見では終始、真っすぐ前を向き、涙を流すことはなかったが、つらい胸の内をにじませた。がんの進行具合(ステージ)は伏せつつも「かなりスピードが速くて、なかなか大変なものではないかという意見を医師から受けた」と説明。病状について「比較的深刻」と率直に明かした。

 麻央は、抗がん剤の投与を受けている。最近まで入院していたが、現在は退院し、通院の形を取っている。この日は海老蔵に「(会見に)行ってらっしゃい」と連絡し、テレビで会見の様子を見守ったという。海老蔵は「今後手術する方向」と、抗がん剤治療の経過を見ながら手術を受ける方針を明かした。

 2010年3月の結婚以来、麻央は梨園の妻として海老蔵を支えてきたが、最近は劇場に姿を見せていなかった。今年5月2日、歌舞伎座での「団菊祭五月大歌舞伎」初日には、海老蔵が楽屋で共演者に「今月は妻が体調を崩して来ることができません」とあいさつして回り、歌舞伎関係者を心配させていた。公演期間中には楽屋に長女の麗禾(れいか)ちゃん(4)と長男の勸玄(かんげん)くん(3)を連れて来て「うちの子たち歌舞伎が好きだから」と話していたという。麻央が面倒をみることができないため劇場に連れて来たものとみられる。麻央の母親が、麻央に代わって麗禾ちゃんの幼稚園の送り迎えする姿も目撃され、関係者の間では「麻央さんの体調はかなり悪いのでは」という話が出ていた。

 海老蔵は33歳の若さでがんと闘う愛妻の心境を「小さい子供のそばにいられない母親の気持ちは、私には計り知れない。苦しさ、つらさと闘っている」と思いやった。乳がんと判明後も病気を公表せず、明るく振る舞ってきたが、この日までを「おのおのが忍耐のいる1年8カ月で、おのおのが悲しんだ1年8カ月だった」と回想。「いつか、あの時間は大変だったけど、家族にとってはいい経験ができたという会話ができるように夢見ている」と祈るように語った。

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2016年6月10日のニュース