海老蔵、つらすぎる会見も見ている子供のために努めて明るく、笑顔も

[ 2016年6月10日 05:30 ]

沈痛な表情を見せる市川海老蔵

市川海老蔵 小林麻央の乳がん公表

 歌舞伎界のおしどり夫婦として知られる市川海老蔵(38)と小林麻央(33)。海老蔵は会見で、目に涙を浮かべながら愛妻が乳がんで闘病中と告白した。麻央は3歳と4歳の2児のママ。闘病の支えになっているのは子供たちの存在。海老蔵は、麻央がベッドの近くに子供たちが描いた絵などを置いて励みにしていることを明かした。

 海老蔵は神妙な面持ちで会見場に入ってきた。決して楽観視できる状況ではない妻の病状。しかし、努めて平静を保ち、質問する記者を見て、答えた。

 「ママが帰ってこないのはなぜ?というクエスチョンがあった長女も、会見を見ていると思う。これで理解をしてくれるのでは」。2人の子供に無用な心配をさせないために、動揺した姿は見せず、時折笑顔さえものぞかせた。

 母親の不在の理由を聞く子供たちには「虫に刺されたんだよ」とごまかして答えることもあった。今年5月に歌舞伎座で行われた五月大歌舞伎「団菊祭」では、25日間の公演期間中に、2人の子供を度々楽屋で遊ばせている光景も目撃されていた。できる限り子供の気持ちをほぐしてきた海老蔵だが「子供と一緒に寝ていても、麻央がいないとやはり空虚な時間を感じる。改めて存在の大きさを痛感しています」と妻への思いを口にした。

 麻央と相談して、病状を公表しないことを決めた。それから1年8カ月。「これだけの期間、公にならなかったのは奇跡。今は落ち着きだしている部分もあるので、今日から隠さなくていいと思えば、公になって少しホッとしています」と穏やかに語った。

 会見の終盤、司会者が「時間です」と質問を打ち切ろうとすると「まだ手を挙げている人が」と司会者を制するなど終始冷静さを失わなかった。ただ麻央の心境を思いやった発言をするときだけは瞳を潤ませた。

 この日の会見前に無料通信アプリのLINEで「治るまで全面的に支えるし、治ってからも支えるから、逆に俺も支えてね」と伝えたことも明かした。「ずっと休みを取っていないので(麻央の)体調次第ですが、どこかに行こうかと思っています」と旅行に出掛ける意向も示した。最後は「皆さん、追いかけて来ないでください」と、少しだけ微笑を浮かべた。

 海老蔵は10日、栃木県大田原市で「那須芸能フェスティバル」に出演し「延年の舞」を踊る。13年2月に父・団十郎さんを66歳で亡くしてから、由緒ある成田屋をけん引してきた。歌舞伎俳優・市川海老蔵として、伝統と愛妻の闘病という2つを背負っていく。

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2016年6月10日のニュース