“門下生”吉田鋼太郎、市村正親らが“恩師”蜷川幸雄さん追悼

[ 2016年5月12日 19:50 ]

蜷川幸雄さんを悼んだ吉田鋼太郎(左)と市村正親

 日本を代表する演出家の蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)さんが12日午後1時25分、肺炎による多臓器不全のため亡くなった。80歳。埼玉県川口市出身。蜷川さんの薫陶を受けた“門下生”から悲しみの声が相次いだ。

 蜷川さんがシェークスピア全戯曲37作品の上演に挑んだ彩の国さいたま芸術劇場「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の常連だった俳優の吉田鋼太郎(57)はファクスで「偉大な演出家であり、最大の恩師であった蜷川さんの訃報に言葉が見つかりません。今はまだこの現実を受け止められておりません」と悲痛な思いを記した。

 昨年9~10月、17年ぶりに復活した蜷川さんの代表作「NINAGAWA・マクベス」(シアターコクーン)に主演した俳優の市村正親(67)はファクスで「渾身の魂からの演出に心から感謝です。ニーナ(蜷川さん)と出会うことができて、本当に役者としてシェークスピア俳優にさせていただきました。感謝してもし切れません」とつづり「運命を呪います。しかし現実を受け止め、これからは天国からの演出に心を傾けたいと思っています。悔しいです!淋しいです!」と無念さをにじませた。

 演劇集団「円」に入団した後、1981年に蜷川さん演出の「下谷万年町物語」の主演に抜擢された俳優の渡辺謙(56)は「僕にとっては最初の演出家です。永遠の演劇青年の姿しか記憶しかありません。よく怒られましたが、その熱さにいつも魂を揺さぶられました」と振り返り、追悼した。

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2016年5月12日のニュース