野村萬斎“蜷川スピリット”の継承誓う 猿之助「敬意と憧憬の念」

[ 2016年5月12日 21:05 ]

 日本を代表する演出家の蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)さんが12日午後1時25分、肺炎による多臓器不全のため亡くなった。80歳。埼玉県川口市出身。蜷川さんの薫陶を受けた“門下生”から悲しみの声が相次いだ。

 狂言師の野村萬斎(50)は、蜷川さんと4回タッグ。2004年「オイディプス王」アテネ公演が最も心に残るという。

 「かつて蜷川さんが『王女メディア』を演出して、再び『オイディプス王』で乗り込み、世界で戦うその大きさに心打たれました。その蜷川スピリットを我々は継承していかなくてはならないと思います」と誓った。

 「そのスピリットとは、日本に根ざした美的感覚を日本のアイデンティティーとして現代の世界へ表現として昇華していく、その気力と職人的技術だと思います。また、さいたま芸術監督として、さいたま芸術劇場にこれだけの人を動員したその腕力は希有なるものと評価し、絶賛に値するものと思います」と称賛を惜しまなかった。

 歌舞伎俳優の市川猿之助(40)は「劇界の異端児として、一緒に闘いを挑み続けようと、固い握手を交わしたことが忘れられません。激しく生きられた蜷川さんに敬意と憧憬の念を捧げます」と悼んだ。

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2016年5月12日のニュース