球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

カブス大物新人が開幕登録外れた真相は…

[ 2015年4月26日 05:30 ]

 カブスの大物ルーキー、クリス・ブライアント三塁手(23)の活躍でファンは「107年ぶりのワールドシリーズ制覇へ」と大喜び。野球メディアは「大リーグの21世紀型労使問題が発生」とこちらも活気づいた。

 17日にメジャーに昇格したブライアントは、快調に打ち続け、高校、大学時代から「大リーグの将来を担う逸材」との評判通りの働きだ。2年前のドラフトでカブスが全体2番目指名、契約金670万ドル(約8億円)での獲得は大当たりとなった。ただし、代理人のスコット・ボラス氏はご機嫌斜め。「カブスはブライアントのFA権取得を1年遅らせるため25人の開幕登録から外した」と疑うのだ。

 選手は大リーグ出場登録172日で1年とされ、6年でFA権を取得する。ブライアントはオープン戦で9ホーマー、打率・425で開幕登録入りは確実のはず。ところがセオ・エプスタイン編成担当取締役は「守備が拙い」とマイナーに回した。ブライアントが開幕から12日間マイナーにいると、その後メジャー昇格しても172日の登録日数に不足し、FA権取得は1年遅れの2021年になってしまう。カブスは数十億円になるはずの年俸節約が可能だ。ブライアント昇格は開幕から13日目だった。

 GMは「三塁手の故障がなければ昇格はなかった」という。大リーグ機構は「選手の移動は球団の専権事項」と球団をかばう。選手会は「24番目、25番目の選手なら分かるが、昇格後すぐクリーンアップを打たせた選手にそんな話は通らない」と怒る。「近年、この種の登録控えが目に付く。監督経験者による委員会でマイナー・トップ選手の実力を判定し登録を決めるのはどうか」とボラス代理人。球団の旗色は極めて悪い。
 (野次馬)

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