球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ヤンキース・ジャッジ “大きすぎる体”に大きな自信

[ 2022年9月11日 02:30 ]

 二刀流で活躍して2年連続ア・リーグMVPに輝く可能性があるエンゼルス・大谷。ライバルはヤンキースの主砲ジャッジだが、そもそも比較することが無理な話だ。ヤンキースの先輩、ロジャー・マリス(85年に51歳で急死)が持つシーズン61本のア・リーグ本塁打記録を更新すれば、という論調もあるが、そんなに簡単な問題でもない。

 ヤ軍の地元紙ニューヨーク・タイムズは「ジャッジの体は野球には大きすぎるのでは」と楽しい話題に切り替えた。「ジャッジの身長2メートル1はシーズン50本塁打(2度)を記録した史上最も背が高い選手」という。この身長で大リーグに進出した選手はわずか150人未満で、その大半は投手だった。

 球界の常識は「巨漢選手は小柄な選手より故障しやすい」とされる。しかし、生物医学工学博士は「背の高い選手の骨格は小柄な選手の骨格を単純に拡大したものではない。特に手足の骨の重さが体重に占める割合が小柄な選手より大きい。それが故障を多くしている」と指摘し、そんな体にあったトレーニングを採用すれば「故障を少なくできる」という。

 「私ほどの体格の野球選手が少ない理由は簡単です」とジャッジ。「彼らはバスケットボールかフットボールをしているからです」と語り「自分の大きな体格が他の選手より私を優位の位置においている資産と信じています」と続ける。死球による手首の骨折などで18~20年までの3年間は、全試合の63%しか出場できなかったが、練習法や食生活を改善することで「今では体の大きさに対する迷いは自信になりました。何年にもわたって自分の体を学んだことが私にアドバンテージをもたらしたのです」と語る。大谷の好敵手にふさわしい言葉と思うが、どうでしょうか。(野次馬)

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