日本ハム・加藤貴 北山と2戦連続完封勝利!チームでは29年ぶりの快挙

[ 2024年4月22日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム5―0ロッテ ( 2024年4月21日    エスコンF )

<日・ロ>うれし涙を流す田宮(中央)に声をかける加藤豪(左)と加藤貴(撮影・高橋 茂夫)
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 前日までの日本ハム・加藤貴の表情は、どこか晴れなかった。自身3連敗と苦しんでいたからだ。だが、今季初白星を4年連続5度目の完封で飾ると、一気に表情が緩んだ。

 「本当に(過去)3試合は苦しんだし、自分でも(流れを)変えないとと思った。今日勝てて良かった」

 持ち味のテンポと制球がさえた。22年には100球未満での完封「マダックス」どころか、90球での完封を達成。新庄監督から「カドックス」と命名された左腕は、最速140キロの直球と90キロ台のカーブの緩急を駆使。9安打を浴びて毎回走者を背負いながらも、4併殺を取り「持ち味は出た。(捕手の)田宮や野手のおかげ」と感謝の121球だった。

 昨季中に国内FA権を取得した。残留か、権利を行使しての移籍か悩み抜いた。他球団の評価を聞きたい気持ちはあったが、最後は4年総額12億円という球団のFA取得者では異例の大型契約で残留して“ファイターズ愛”を貫いた。

 大型契約の重圧の下、勝てない日々にストレスもたまった。それでも、右足を上げる際のタイミングを変えるなどフォームを試行錯誤し、5度目の完封。前日の北山に続く2試合連続の先発投手の完封勝利は、球団では95年のグロス、西崎幸広以来、29年ぶりだ。

 新庄監督にも前日までは暗く映っていただけに「あえて声は掛けてなかった。素晴らしい投球をしてくれてうれしい」と頬を緩めた。4連勝に導き、首位ソフトバンクと1ゲーム差に肉薄。貯金3は新庄政権最多となり、球団では20年8月26日以来4年ぶりで、あす23日の楽天戦にも首位に立つ可能性もある。

 加藤貴は「チームを引っ張るのは言葉では無理。何とかプレーで頑張りたい」と言う。人見知りで口数も多くはないが、2年連続最下位からの巻き返しに必要不可欠なキーマンが輝きを取り戻した。(田中 健人)

 ≪グロス→西崎以来≫日本ハムは前日20日の北山に続き加藤貴も完封。2試合連続完投完封は、オリックスが22年6月22日ソフトバンク戦、同24日ロッテ戦(田嶋→山岡)で達成して以来。日本ハムでは95年7月4、5日西武戦のグロス→西崎幸広以来29年ぶり、日本人投手に限れば90年9月13日ダイエー戦の松浦宏明→同15日西武戦の西崎以来34年ぶりとなった。なお、3試合まで伸ばすと東急時代の53年4月1日近鉄戦から同4日阪急戦での4試合連続以来となるがどうか。

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