広島・大瀬良 粘りに粘った5回完投 今季3試合の登板中に援護ゼロでも「野手を信じ、自分を信じて…」

[ 2024年4月22日 06:00 ]

セ・リーグ   広島0ー0巨人 ( 2024年4月21日    マツダ )

<広・巨>4回、ピンチに吉川を飛球に打ちとりガッツポーズの広島・大瀬良 (撮影・西川祐介)
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 広島・大瀬良大地投手(32)が21日、5回裏終了降雨コールドで今季2度目の引き分けに終わった巨人戦で雨中の粘投を披露した。5回までは無失点。1点の先制を許した6回表に“降板”したところで雨脚が強まり、6回裏終了に至らなかったことで記録上は5回完投で勝敗が付かなかった。今季3度目の先発で登板中は援護点がなく初白星が遠い。次回こそスカッと勝ちたい。

 今季初勝利に届かなったものの、黒星先行も回避できた。7回を零封した11日の阪神戦以来、中9日で結果的に5回85球を投げ、4安打無失点完投。降りしきる雨の中、3度目の登板を終えた大瀬良は開口一番、反省の言葉が口を突いた。

 「なくなりはしたけど、6回が…ね。状態があまり良くない中で粘って5回までは行ったので、6回ももう少し粘り強く投げられたら良かったかな…と」

 幻となった6回。先頭・丸の右中間二塁打と、佐々木の中前打で無死一、三塁のピンチを招く。続く小林の中犠飛で先制点を献上したところで首脳陣は交代の断を下す。塹江がコールされると同時に中断に入り、降雨コールドゲームとなった。

 「思うように制球できず、球速も乗っていなかった。引っかけたり、少し抜けたり。思ったところへ投げられた球はほぼなかった」

 それでも粘り強く、丁寧な投球でゼロを刻んだ。2回1死二塁、4回1死満塁を耐え、5回にも味方の失策絡みで無死一、二塁に直面する。だが、オコエのバントを処理した捕手・会沢が二塁走者を三塁で封殺すると、中軸の坂本、岡本和は直球で凡飛に仕留めた。

 「粘り強く投げてくれていたと思う。走者を背負ってもホームベースを踏ませなければいい。大地はナイスピッチングだった」

 粘投した大瀬良をねぎらう新井監督。それにしても援護がない。今季初登板で5回1/3を投げた4日のヤクルト戦から11日の阪神戦、さらには今回…と、右腕がマウンドに立っている間に味方打線が挙げた得点はゼロ。これでは今季初白星が遠くても致し方ない。

 「現状は知っているけど、僕はどうしようもできない。(自分自身)打席で何かアクションを起こしたいし、野手も同じ気持ちで、同じ方向を見てやっていると思う。野手を信じ、自分を信じて投げるだけかなと思う」

 豊富な経験を持ち、状態が良くないなら悪いなりの粘投ができる右腕。互いを信じ合った先に美酒が待っていることも知っている。 (江尾 卓也)

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