【落合×福本豊対談】毎日1時間の特守で守備力向上「そりゃ下手でも上手くなる」

[ 2024年4月22日 17:05 ]

対談後に記念撮影をする落合博満氏(左)と福本豊氏(撮影・大城 有生希)
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が22日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回目として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏(76)をゲストに招いて対談を行った。

 落合氏が「まず守りからですね」と振ると、福本氏は「入った時、4勤1休で毎日最低1時間ノックですよ。200発。大きなかごにボールいっぱい無くなるまで。あれを3人で受けて。1人1箱受けなあかんからだいたい200発受けないと終わらないんで。それやってるうちに知らんうちに上手くなったね」と連日の特守が守備力向上につながったことを明かした。

 コーチが打つノックの打球も効果的だった。福本氏は「ただのこういう普通の(山なりの)ボールやなしにこういう(浮き上がるような)。ノッカーがそういうノックの練習をしてるコーチでしたから。凄い打球を打たれて。それを毎日やったらそりゃ下手でも上手くなる。下手は絶対に上手くなる。下手は上手くなりたいし、負けたくない。試合に出たいからこの練習やって上手くなったら出られるんや思ってやってた。下手やから言われるまんまにこうしたらこうかなというのはやってて。知らないうちに形は変わるけど、いいように変わったんかなって」と徐々に成長を実感できるようになったという。

 キャンプ中のノックは守備力を鍛えるためとはいえ、憂鬱な時間だった。福本氏は「練習が(午後)3時くらいに終わって3時半くらいからのノックがキャンプで一番しんどかった。みんなノックあるわ~って。でも、あのおかげでうまくなったと思う。ほんまに下手やったからね」と振り返った。落合氏は「(キャンプの)全ての練習が終わってから個別に何をするか」と個別練習の重要性を力説。福本氏は「打つ方は先輩たちが練習終わってから順番にマシン打ったりしにいくけど、自分たちは待ってないといかんし。その前に別メニューでノックというのが毎日あるんです。それ終わってからおまけで打ちにいくか、帰るかですけどね。知らないうちに下半身が勝手に鍛えられたというか。特別に何をしたから、ウエートしたからどうのってそんなんしてないし。それやったらノックやってるうちに足が強くなった」と振り返った。

 これには落合氏も「野球の基本ですよね。足腰っていうのはね」と同意。福本氏も「それは思いました。あんだけ毎日ノック受けて。引退するまで毎日。若い選手が3人でやるけど、僕が行って4人にして。もうちょっと楽になるから。それでも4勤のうちの2日は受けろって言われたんですよ。それで若い人と一緒に受けて」とベテランになってからも特守は続けていたという。

 福本氏が「(現役時代の)終わりの方は大熊(忠義)さんがコーチをされとった。“おまえ、4勤のうち、2回は受けなあかん。好きな時に入れ”って言われて、(キャンプの)休み明けの日と最終の日に入りますわって。入れてもらって若いやつと一緒に同じノックを。それがあったから長持ちしたんかなと思うし」と話すと、落合氏も「練習は嘘をつかないってやつですね」とうなずいた。福本氏も「ほんまね、思いますね。すぐに答え出なくても1カ月後に出たりね」と話した。

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