西武ドラ1・武内 4・3デビュー有力 開幕ローテ入り当確 OP戦初登板で4回1安打零封

[ 2024年3月14日 05:30 ]

オープン戦   西武3―2中日 ( 2024年3月13日    ベルーナD )

<西・中>先発した西武・武内(撮影・久冨木 修)
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 西武のドラフト1位・武内夏暉投手(22=国学院大)が13日、開幕ローテーション入りに当確ランプをともした。中日戦でオープン戦初登板し、4回1安打無失点、5奪三振。2回無死三塁のピンチではギアを上げ、自己最速タイの154キロで圧巻の3者連続空振り三振を奪った。開幕5戦目となる4月3日のオリックス戦(ベルーナドーム)での先発が有力視される。

 「股関節」のキーワードから武内の凄さが分かる。2回。先頭の細川に三塁打を許すと「ピンチだったので、ギアを上げられました」と切り替えた。

 凄さ(1)ギアチェンジ 上半身主体になってしまった失投を痛打され「下半身主体で投げることを意識した」。下から上にエネルギーを伝えることを意識。変化球は切れ、直球は勢いを増す。石川昂、高橋周をツーシーム、チェンジアップで空振り三振。さらに自己最速タイの154キロ直球で鵜飼を空振りの3球三振に斬った。内野ゴロや外野フライでも点を失いかねない、絶対に三振が欲しい場面。「ピンチで冷静に投げることができた」と3者三振で切り抜けた。

 柔らかさを増した股関節が可能にした。大学時代に行っていた30分間のストレッチを、1日3セットに増やした。硬めの股関節の柔軟性を高めるため、朝、昼、晩と計90分。「ストレッチをかなり入念にやっている。自然体で下半身も使えている」と効果が出た。

 凄さ(2)けん制 四球で出した一塁走者を、初回と3回にけん制球でアウトにした。現役時代に日米通算465盗塁をマークした松井監督を「本当にうまい」と驚かせた。左腕が「投球する時と見分けがつかないように気をつけている」という初動も、股関節が可能にしている。

 右足が一塁方向ではなくホームベース寄りに動くとボークだが、直前の動きが巧みだった。平石ヘッドコーチは「股関節の乗せ方、重心のかけ方がうまい。乗せ方が一瞬、前にいきそう(投球しそう)に見える」と分析する。走者を惑わし2つアウトを奪った。けん制は強烈な武器だ。

 甘いマスクに、夏暉の名前から「なっちゃん」とファンに呼ばれたいと希望する。あだ名からは想像できない圧倒的な本拠地初登板で、4回1安打無失点、5奪三振だ。指揮官は「一つ一つ段階をクリアしている」と評し、4月3日の本拠地オリックス戦でのデビューが有力視される。

 「チームの勝利に貢献する投球をしていきたい」。67球の登板後ブルペンで計34球を投げ込み、開幕ローテーションを見据えた。(神田 佑)

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