西武・元山 OP戦打率・455で隠れ首位打者! ヤクルトからトレード“背水”4年目

[ 2024年3月13日 05:22 ]

オープン戦   西武2-1中日 ( 2024年3月12日    ベルーナD )

<西・中>2回、二塁打を放ち塁上でガッツポーズする西武・元山(撮影・久冨木 修)
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 引退後の第二の人生を真剣に考え始めていた昨年12月。ヤクルトから西武へのトレードが決まった。元山は「セカンドキャリアを考えたりしていた。野球しかしてこなかったので、サラリーマンできるんかな、とか」と振り返る。再出発の“吉報”と受け止め、24年シーズンを見据えた。

 キャンプ期間の実戦からアピールし、迎えたチームの今季本拠地初戦。左打者の元山にとっては左腕の小笠原にどう対応するかの“試験”だった。2回に右翼線二塁打で5回は三塁内野安打。この日は2打席のみで規定打席は割ったが、オープン戦打率・455として“隠れ首位打者”となり「“野球できるんや”という喜びを感じる」と目を輝かせる。

 ヤクルト1年目の21年に97試合に出場も3年目だった昨年は22試合の出場。戦力外とはならなかったが大卒入団でもあり、24年シーズン後の構想外を覚悟し、高校や大学の先輩に連絡し就職先の助言をもらった。ダメならサラリーマンに転身する――。新天地で危機感を持って練習すると光が差す。転機は嶋打撃コーチの助言。速球派の多いパ・リーグの投手対策としてボールを捉えるポイントを「前にした」と言う。差し込まれることの多かった打撃が改善。内野守備には定評があり打撃でアピールを続ければ渡部、佐藤龍との三塁争いを制することができる。

 走塁でも5回の一塁走者で相手の暴投で一気に三塁へ。左手を引いて三塁手のタッチをよけ、右手を伸ばしセーフとした。「開幕へ必死にアピールを重ねたい」と元山。どんな世界でも言える。覚悟を決めた男は、強い。(神田 佑)

 ◇元山 飛優(もとやま・ひゆう)1998年(平10)12月4日生まれ、大阪府出身の25歳。佐久長聖(長野)では1、3年夏に甲子園出場。東北福祉大を経て、20年ドラフト4位でヤクルト入団。21年は3月27日の阪神戦でプロ初出場初アーチなど97試合で打率.255、3本塁打、17打点も、22年は13試合、昨年は22試合の出場に終わり、12月にトレードで西武移籍。1メートル80、79キロ。右投げ左打ち。

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